「午前9時より試験を開始するので、受験者は会場入りしてください」

などと考えてた矢先だった。
もうすぐ試験が始まるらしい。
今の時刻は8時20分。
試験は9時開始だが、そういえば8時20分から会場入りだったか。
急がなくても間に合うが、遅刻して試験を受けれなかったらシャレにならないので急ぐことにする。

と思ったが。

「はて?」

試験会場が分からん。
どうしたものか。
とりあえず走って探すか。
ということなので俺は急いで試験会場を探した。

…………
………
……


「なんとか間に合った」

俺は試験開始5分前に会場にたどり着いた。
危ない危ない。
もし受けれなかったら師匠に殺されていたよ。
何はともあれ無事、会場にたどり着いた。
俺は自分の受験番号が書かれた席に着いた。

エトワール魔術学院の試験には、実技試験、筆記魔術式試験がある。
それぞれの試験、最高点を100点とした200点満点のテストだ。

正直、サルでも解ける。
師匠が調達した過去問を見たのだが、何聞いてんのこの出題者は?と出題者の頭を疑うほどの問題のぬるさだった。

周りを見てみると、他の受験者を無視して最後の復習をしている。
何が難しいのやら。

試験官の「はじめ」という声を合図に一斉にペンを走らせる俺を含めた受験者達。
魔術式試験と筆記試験は同時進行で制限時間100分の中でこの問題を解かなければならない。
筆記試験は一般教養と魔法の歴史について出題される。
魔術式試験はその名の通り、指定された魔術式を答案用紙に描けばいい。

一般教養はぬるま湯問題。
因数分解などの低レベルな問題しか聞かれない。

歴史は歴史書に書いてあることがそのまま出ていた。
覚えていれば簡単である。

俺にとっては頭の準備運動にもならない問題だ。
物心ついた頃からこれらの問題を師匠に叩き込まれたからな。

次に魔術式試験。
これに関しては少しはレベルが上がったように感じた。
中級魔法の魔術式を書けという問題。
そもそも、今の年齢で中級魔法を使える人間は将来大賢者に近づく者だろう。
もちろん俺は習得済みだ。

要するにこの試験で俺は満点以外有り得なかった。

だが、目立つのは面倒なので一応間違えておく。
おおよその予想の平均点の12〜5点上を行くくらいの点数だ。
これならトップ10には入るだろう。

これでよし。

十分くらいで終わったので、あとは寝て過ごした。