「なんでこんな点数しか取れないの!あなたは南乃花(なのは)と違って普通なんだから、勉強ぐらい得意になりなさい!」

「……」

見た目はごく普通の家の、ごく普通のリビング。

亜里香(ありか)はそこで、いつものように怒られていた。

「次順位上がらなかったら、承知しないからね。」

「……」

亜里香は普通の高一。…でありたっかた。

変わっているのは、家がちょっと裕福なことと、中高一貫の進学校に通っていることくらい。

だが、それでも亜里香は変わっていた。

その原因は、双子の妹、南乃花だ。

別に喧嘩したわけでも、亜里香が、一方的になにかしたわけでもなかった。

物心着いた頃には、既に南乃花優先。

もう手遅れだった。

「どうして返事もしn… あら、南乃花、おかえり。テストどうだった?」

「全科目平均あったよ~。あれ、お姉ちゃんどうしたの?」

「亜里香はテストが悪かったの。南乃花、頑張ったわねえー」

「え~またあ?お姉ちゃん、テスト悪かったの~?」

ふざけるんじゃない、と亜里香はおもった。こっちは全科目平均の10点以上は取っている。

それに、南乃花が通っているのは、金さえあれば入れるようなお嬢様学校。

一方で亜里香の学校は、学費はあまりかからないが、勉強がかなりできないと入れないような進学校である。

そう考えれば、学力の差は歴然である。

それでも怒られるのは亜里香の方である。

「今度こそいい点とりなさいよ」