小百合はそれっきり、前を向いてしまった。

その小さい肩を、金子さんが抱きしめるかと思うと、私の方がもっと激しい嫉妬をしてしまった。

なぜ、金子さんが選んだのは、小百合だったのだろう。

そんな事を考えていると、週末はあっという間に、終わってしまった。


『今週から、宜しくね。』

コメント付きで、金子さんからコメントが届いた。

見れば、人材集めのリストだった。

ここから、今週末働ける人を探す訳だ。

「リスト、届いた?」

顔を上げると、金子さんがいた。

朝から、金子さんと顔を合わせる事ができるなんて。

この仕事、受けてよかった。

「最初はメールでアタックしよう。時給は1050円にしてみようか。」

「はい。」

私はメモを取ると、パソコンの縁に張り付けた。