朝礼が終わり、皆は小百合を取り囲む。

「結婚、おめでとう。」

「いつから、付き合ってたの?」

何も知らない女子はいい。

何の気兼ねもなく、盛り上がれるのだから。


私は、金子さんを見た。

周りの人は、皆口々に、『おめでとう。』とお祝いの言葉を、投げかけた。

ふと、金子さんと目が合った。

ニコッと笑顔を見せられ、私も釣られて笑顔になった。


ああ、好き。

何度、あの笑顔を独り占めしたかった事か。

でも、実際独り占めできるのは、小百合なんだね。

なんだか、小百合が憎くなってきた。

ダメ。

そんな感情、捨てなきゃ。

小百合は何も悪くない。

普通に金子さんと、恋愛していただけなんだから。

私は、手を握りしめた。


あの金子さんが結婚する。

同期の小百合と。