「あともう一人、佐藤がいたな。」

佐藤君が、後ろを振り返る。

「あっ、そうだよね。」

マネージャーさんも、後ろを振り返った。

「もう一人?」

私は、二人の視線の先を見た。


この後私は、奇跡を嫌でも見せ付けられる。


「ああ、佐藤!」

佐藤君に、同じ苗字で呼ばれた彼は……



あの、綺麗なシュートを放った人だった。

そう。

私が目が離せなかったのは、間違いなくこの人だ。


「何?佐藤。」

その人は、ワクワクしながらこっちにやってきた。

「たいした事じゃないんだけど。」

「え~なんだよ、それ。」

「もう一人、”佐藤さん”が現れたんだよ。」

「もう一人?嘘だろう?勘弁してって感じだよな。誰?誰?」