「同じ”佐藤”なんだからさ~。もうちょっと、俺に関心持ってよ。」

「うん…」

佐藤君にしてみれば、1年生の時からの友達だから、自分をもっと応援してほしいと思うのだけど、今の私にはそんな余裕がなかった。

そう。

あの釘付けになった、選手のせいで。


「ところで、次の試合も見に来るだろう?」

「ああ……たぶん。」

「たぶんじゃなくて来いよ。場所は確か……あれマネージャー、次の試合の場所どこだっけ?」

佐藤君が、後ろに反り返りながら、隣にいるマネージャーらしき人に声を掛ける。

マネージャーと呼ばれた人は、お人形さんのように、目のクリッとした人だった。

「次の試合は、南高でだよ。」