「佐藤さんは……」

すると、私とマネージャーがあの人の方を向いた。

「マネージャーじゃなくて、こっちの佐藤さん……」

あの人は、私の方を指さした。

「あ、そうか。」

マネージャーさんの恥ずかしそうに笑う顔も、お人形さんみたいだった。

しかも、あの人に話しかけられるなんて。


そんな時、同じクラスの佐藤君が、とんでもない事を言いだした。

「ええい、まどろっこしい。苗字じゃなくて名前で呼ぼうぜ。」

私は佐藤君の方を、急に振り向いた。


えっ?

私、同じ部活でもないのに、名前で呼び合うの?


そんな私を他所に、マネージャーさんは楽しそうに、手を挙げた。

「そうよね、私は茅乃って読んで。」