「希生が私が楽しみにとっておいたチョコレート食べたの〜。ほんと意味分かんない」
「ごめんって言ってるでしょ」
希生と佳奈美は高校に入って初めてできた友達だ。
入学当初、教室に入ってすぐ、誰と話せばいいのかと迷って一人心細くなっていた。
そんなときに、もともと同じ中学校で仲がよかったという二人が声をかけてくれて一緒に行動するようになった。
彼女たちはその時からすでに、周りの子よりも髪型や制服の着こなしが垢抜けていて、目立っていた。
私自身、人見知りというわけではないけど、初対面の人に話しかけるのは結構勇気のいるわたしにとって、気さくに声をかけてくれたことがとてもありがたかった。
その日のうちにLINEを交換して次の日には三人で遊びにも行った。
「佳奈美、後で買ってくるから希生のこと許してあげてっ」