「どういうつもりって?」

 意図は分かっていて、はぐらかす。生きるための術の一つだ。

「何で蓮君と密着して下校してるのかって聞いてるの」

 これでもかというほどの上から目線。陽菜の性格の悪さは折り紙付きだ。それでも男子はフラフラーと吸い寄せられていく。こちらが失笑してしまうくらいにあっさりと。

 男はバカだ。ホント単純。美人と巨乳に男は弱い。そうそう陽菜は胸だって大きい。

「……同士みたいなものだから?」

 何がどう同士なのかは、言ってる私も分からないが、とにかくこういう場合ははぐらかすに限る。真っ向勝負なんてしてやんない。今はただ相手が呆れて去るのを待つべしなのだ。