「本当に僕でいいのかな?」
「うん……宜しくお願いします」

 周囲の目があることを今更ながらに思い出し、顔から火が出るほど恥ずかしかった。
 
 でも今日からは母親代わりとしてではなく、姉として恋愛の素晴らしさを蓮に伝えてやるのだ。
 
 元々寂しがりやな弟だ。きっと――奴はすぐにでも彼女を作るに違いない。機会とタイミングだけは山ほどあるのだから。

 それがいい。いや――それでいい。

 完