遠ざかっていく蓮の背中に目を向けた。
 
 弟よ、それでいいのだ。
 
 別に蓮のことが嫌いになったわけではない。いや、むしろ今だって蓮ことは可愛い。大好きだ。でも――だからこそ、この選択こそがお互いが大人なるための第一歩だと私は信じている。
 
 ソーセージと双生児をこよなく愛する弟の背中は、どこかいつもの背中とは違って見えた。
 
 一つ脱皮したのだ。
 
 不意に握っていた手に力が込められた。竹村だった。