その時になって――蓮の都合に合わせて距離を取られては堪らない。
 
 だから今のうちに正常な距離感を保っていたいと切に思う。
 
 そんなジレンマの中での今日の出来事だ。遠足なのに、別のクラスなのに、さも当たり前に蓮は私の隣にいようとする。周囲がドン引きしていることを気にも留めないで。
 
 溜め込んでいた私の気持ちが、ここに来て爆発した。蓮の頬を引っ叩いたというのはそういうことだ。