今でも肩に触れられた時の重みが忘れられない。

 この重みを少しでも軽くしたくて、私は蓮の母親代わりになった。ご飯を作って、洗濯をして、寝起きの悪い蓮を起こして、朝着る服も私が用意して。

 宿題やった? 忘れものない? 母の面影を頭の中から探し、記憶を振り絞り、ひたすらに母の残像を思い出すままにその真似事をした。それが私の懺悔だと思ったのだ。

 私たちの9歳の時の話だ。