いいから竹村君に謝りなさいって。蓮の言葉は無視して、ただそう繰り返す。

「今日の沙羅、おかしいよ? どうしたの? 体調でも悪い?」

 蓮が私の顔を覗き込んでくる。相変わらずのイケメンぶりだ。かっこいいというより可愛くて、かつ無邪気な顔。

 きっとその顔で散々得をしてきたに違いない。このような狼藉だって、きっと散々許されてきた。

 でも、それがこの先、ずっと続くはずかない。続いていいはずもない。