「そこ、退いて。僕の場所だから」

 蓮の行き過ぎた行動は収まるところを知らず、よりにもよって力づくで竹村を退かし、開けた場所に入り込もうとしていた。

「何が僕の場所よ……」

 怒りで声が震える。

「だって沙羅の隣はいつも僕の場所でしょ?」

 私は首を横に振る。

「……竹村君に謝って?」
「……何で謝る必要があるの? もしかして沙羅の隣は予約制だった?」