「班ごとに食べなさいよ」

 当たり前だ。遠足なのだ。遠足とは授業の一環なのだ。班が違うばかりかクラスも違う蓮が、私と一緒に食べる意味が分からない。

 実際、蓮の背後には、同じ班のメンバーと思しき生徒たちが困惑した顔でこちらを眺めている。

 さすがにマズイと思った。また周囲に顰蹙を買ってしまう。連のファンから総攻撃を受ける危険もある。

「いいじゃん、昼くらい沙羅と一緒に食べたって」
「全然よくないし」

 相も変わらず私の言葉は蓮には届かない。苛立ちが募る。