そんなソーセージ作りは極めてシンプルな作業だった。

 用意されている具をソーセージ用の絞り袋に詰めて、羊の腸に注入するだけ。もちろん乱雑に扱ってはいけない。腸が破れてしまえば、もはやソーセージにはなり得ない。

 シンプルだが簡単なわけではないのだ。いや、むしろ難しい。係員さんが手取り足取り教えてくれるから、何とか形になる程度。

 具が腸内に入ったら、適当な長さで捻ればいい。そこまでしてようやくソーセージらしい御姿(みすがた)になり、私はほっと一息つく。

 ボイルした一部はその場で試食して、残りは保冷バッグに入れて貰った。ボイルしたてのソーセージは予想以上に美味しかった。シメシメ。弟の喜ぶ顔が目に浮かぶではないか。