弟はソーセージが好きだ。でも、このソーセージ美味いねと言って、ウインナーを指差したものだから、私は首を傾げたことがある。

「それってウインナーじゃないの?」

 ウインナーとソーセージ。似て非なるものというイメージ。少なくとも私はそう思っている。

 しかし弟は軽く笑った。いや、薄く笑った。苦笑というより失笑。その威力は凄まじく、私のプライドを粉々に打ち砕いてくれた。

「ソーセージという大きなカテゴリーの中にウインナーがあるんだから、間違いじゃないよ」

 無駄に博識で理屈っぽい。そんなことも知らないのかよ、という余裕の笑みがスパイスとなり、効率的に私の体温を上げていく。