この平凡な私をつかまえて、よくぞそんなことを口走ったと褒めてやりたい。性格が好きだとか、考え方が共感出来たとかそんな答えを想像していたものだから、その返事には度肝を抜かれた。

 そして私の仕草だとか横顔だとか、そんな外見を気に入ったと言い切った彼のことを私は大いに称賛した。是非、絶滅危惧種として、WWFに保護してもらいたいくらいだ。
 
 一気に彼のことを意識したし、ぶっちゃけそのまま付き合いを始めたいと思ったりもしたが、のっぴきならない事情もあって、現在保留中にしている。竹村君のことは全然嫌いじゃないよ。でもね。返事は少しだけ待っててくれないかな。
 
 そんな私の曖昧な態度に対しても、竹村君は笑顔を崩すことはなかった。

 大丈夫。気長に待っておくよ。ゆっくり考えて返事してくれたらいいよ。