クワバラクワバラ。背筋が凍る。

「蓮に直接言ってよ。私に近づくなって」

 それが一番効果的だ。私が何を言っても奴は気にも留めない。

「いいからあんたが気をつけなさいよ。それで済む話でしょ。まったくベタベタして気持ち悪い」

 負けゼリフのように言葉を吐いて、陽菜は私の前から立ち去って行ったが、それで済まないから、こういう結果を招いているのではないか。

 とはいえ嵐は去った。ホーッと一つ息を吐く。

 周囲の目が私から離れていく。その中で、最後の最後まで心配そうに見ている男子生徒がいた。