「聞いて下さい。風佳がまた私の花を奪ったのです。」

徳妃・朱建玉。

この国の高官の娘で、少々被害妄想が入っている。

「奪ったのではないと言っているでしょう。侍女が間違えて持って来たのです。」

淑妃・叶風佳。

隣国のお姫様で、政略結婚でこの国にやってきた。

皇后になれないのが、何よりも悔しいよう。


「建玉さん、風佳さんは間違えたと言っているでしょう。許してあげる事はできないのですか?」

「梁貴妃様。風佳は、わざと侍女に運ばせたのです。」

「それはどうして?」

「私にはその花が似合わないと言って……」

「正直に言ったまでじゃない。」

ええっ!風佳、それを言ったの⁉

「本当にあなた達は。」