少し遅れて嘉正くんたちと合流し、私たちは教室へ向かった。

毎年中等部から繰り上げ入学になる高等部は、学生が多いときでも十数人程度しかおらず、自動的にクラス分けはなくなり一クラスのみになるらしい。

今年は編入生の私を含めて、一年生は六人なのだとか。


教室がある棟は寮からまた少し階段を昇った上にある。

初等部、中等部、後頭部、専門学部、の四学生が一斉に学ぶ場所だけあって建物は非常に大きかった。


木造四階建て、三つの棟がコ型に配置され、建物がない部分は渡り廊下で繋がっている。

ぱっと見た感じは京都のどこかにある神社のような外観だ。


中等部と高等部は真ん中の棟に教室があるらしい。


嘉正くんたちに続いて中へ入ると、内装は思った以上に学校らしかった。

中も全て木造で、一昔前の学校っぽい。



「一階は医務室と特別科目の教室とかがメインかな。二階も特別科目の教室と職員室。三階が高等部三学年で、四階が中等部三学年」

「特別科目?」

「詞表現実習とか薬種学とかの授業だよ! 俺、特別科目好き〜」


慶賀くんが楽しげにそう言ったが、名前だけじゃ授業内容は何一つ想像できなかった。

けれど何となく、"こちら"でいう美術や理科の授業の事なんだろうなと想像が着いた。