「それって詳しく訊いてもいいの?」
「あまり喋りたくない」
「そっか。分かった。じゃあ私蒼君の学校に行く!」
目が点になったという表現はこういうときに使用するのだと思った。
詩はいいことを思いついたと言いたげに顎を上げもう一度言った。
「学校に行く」と。
「何言ってんの?生徒じゃない学生が登校すれば問題になるに決まっているだろ」
「それはわかってる。だから何かいいアイデアないかなぁって。あ!そうだ…ね、八月下旬って文化祭みたいなのやってなかった?蒼君の学校って」
「やってるけど…」
「だよねぇ!知ってるよ、進学校なのにとんでもない規模のお祭り?するんだよね」
「祭りじゃないけどまぁそんな感じか。学校祭みたいなやつ」
それは昔から続いている伝統のようなものらしく、夏休み明け三日間にわたり行われる学校祭だ。流星祭と言う。一日目である金曜日に交通規制を掛けて行灯を担ぎ五稜郭あたりを練り歩く。二日目、三日目は一般的な学際が行われている。
学際が有名なこともあり、それが目当てで入学してくる学生も多いという。
「あれ、結構準備に時間かかりそうだけど学校始まってすぐにやるの?」
「あー、うん。クラス単位で行われるから夏休み前にはクラスでどういう行灯にするか、段ボール集めは主に誰がするのかとか役割分担を決める。段ボール集めなんかは夏休み中にやるんだよ。そうじゃないと間に合わないから。女子は衣装とか作ったりしている」
「へぇそうなんだ。面白そう~学際目当てで簡単に入れるような学校じゃないけどそういう生徒多そう。いいなぁ」
詩に羨ましがられるほどの学際とも思えないが確かに入学当初はそれなりに楽しみにしていたことを思い出した。
「じゃあ、蒼君は何を担当してるの?」
「…俺は、」
『笹森は別にいいよ。手伝わなくて』
『そうそう、どうせ弟と遊ばないとダメだもんな』
『また誰か殴られるぞ、関わんなよ』
一応段ボール集めのチームになったが、部活でいう幽霊部員というか俺以外で話し合って色々準備をしているらしい。
俺はどうせ学際も楽しめないし、一日目はほぼ強制参加だがそれ以外は参加するつもりはなかった。
「何もしてない」
「そうなの?それでいいの?」
「いいんだよ、別に」
右側のひじ掛けに肘を置いて顔を背けた。どうせ俺はこのまま残りの一年半を学校で過ごす。楽しい思い出などいらないし、たった三年間の学校生活などどうだっていい。
大学にいってその後社会に出る。その方が長いのだから学生時代は捨てたっていい。
「あまり喋りたくない」
「そっか。分かった。じゃあ私蒼君の学校に行く!」
目が点になったという表現はこういうときに使用するのだと思った。
詩はいいことを思いついたと言いたげに顎を上げもう一度言った。
「学校に行く」と。
「何言ってんの?生徒じゃない学生が登校すれば問題になるに決まっているだろ」
「それはわかってる。だから何かいいアイデアないかなぁって。あ!そうだ…ね、八月下旬って文化祭みたいなのやってなかった?蒼君の学校って」
「やってるけど…」
「だよねぇ!知ってるよ、進学校なのにとんでもない規模のお祭り?するんだよね」
「祭りじゃないけどまぁそんな感じか。学校祭みたいなやつ」
それは昔から続いている伝統のようなものらしく、夏休み明け三日間にわたり行われる学校祭だ。流星祭と言う。一日目である金曜日に交通規制を掛けて行灯を担ぎ五稜郭あたりを練り歩く。二日目、三日目は一般的な学際が行われている。
学際が有名なこともあり、それが目当てで入学してくる学生も多いという。
「あれ、結構準備に時間かかりそうだけど学校始まってすぐにやるの?」
「あー、うん。クラス単位で行われるから夏休み前にはクラスでどういう行灯にするか、段ボール集めは主に誰がするのかとか役割分担を決める。段ボール集めなんかは夏休み中にやるんだよ。そうじゃないと間に合わないから。女子は衣装とか作ったりしている」
「へぇそうなんだ。面白そう~学際目当てで簡単に入れるような学校じゃないけどそういう生徒多そう。いいなぁ」
詩に羨ましがられるほどの学際とも思えないが確かに入学当初はそれなりに楽しみにしていたことを思い出した。
「じゃあ、蒼君は何を担当してるの?」
「…俺は、」
『笹森は別にいいよ。手伝わなくて』
『そうそう、どうせ弟と遊ばないとダメだもんな』
『また誰か殴られるぞ、関わんなよ』
一応段ボール集めのチームになったが、部活でいう幽霊部員というか俺以外で話し合って色々準備をしているらしい。
俺はどうせ学際も楽しめないし、一日目はほぼ強制参加だがそれ以外は参加するつもりはなかった。
「何もしてない」
「そうなの?それでいいの?」
「いいんだよ、別に」
右側のひじ掛けに肘を置いて顔を背けた。どうせ俺はこのまま残りの一年半を学校で過ごす。楽しい思い出などいらないし、たった三年間の学校生活などどうだっていい。
大学にいってその後社会に出る。その方が長いのだから学生時代は捨てたっていい。