「どうして会ってくれる気になったんですか」
「…それは、やっぱり笹森さんの言うことは今も信じることが出来ていないのだけど、でもだとしたらどうしてそんな面倒なことをするのか気になったの。だってあなたにメリットなんかないんだもの。だからもしかして本当に詩の手紙を預かっているのかなって」
美世は手紙の表面を見た。
すると、その手を止めた。スラスラと喋っていたのに突然言葉を止めた。そしてその封筒に書かれた美世ちゃんへという文字を見て手を震わせる。
「…詩の字、だ」
信じられないという表情をしたまま、封筒から便箋を取り出す。
詩はきっと遠くからだが親友である美世の様子を見ているはずだ。どうか、詩の想いが彼女に届いてほしいと願った。
「…嘘、どうして」
内容はもちろん読んではいない。だが、これは確実に詩が書いたものだ。
そして、二枚目の便箋に目を通すと美世の涙から大粒の涙が零れ、便箋にぼとぼとと落ちていく。そのうち、嗚咽を漏らしながらも「ありがとう」と言った。
「信じてもらえましたか」
「うん。これは…詩の字だ。ほら、見て。最後に四葉のクローバーを書くの。詩は絶対これを書いてくれるの。懐かしいなぁ、まだ一か月も経ってないっていうのに」
美世はそう言って詩の書いた手紙の一番下の部分だけを見せてくれた。
確かにそこにはクローバーが書かれてある。
「蒼君は、私の大切な友達って書いてある。知らなかったなぁ、私が一番の親友だと思っていたから詩のことならなんでも知っている自負があった。でも…それは驕りだよなぁ」
美世はそう言って空を見上げた。
まるで、天国にいる詩に話しかけているようだった。
「詩は…美世さんのこととても大切に思っているようでした。あと、詩は、一番の親友は美世ちゃんだって言ってました」
「本当に?それなら、嬉しい。でも…早すぎるよね。ずっと思ってたんだ。私の残りの寿命を半分あげるから、どうか詩を助けてくださいって。神様なんかいるわけないんだけど、それでも願っていた。現代の医学ではこれが限界だって分かってはいてもどうしてもね」
「僕も同じ気持ちです」
「そうだよね。詩は我が強くてクラスの子から嫌われていた時もただ一人、話しかけてくれた子なの。周りの目なんか気にしない、私なんかよりもずっと芯のある子だった。いつも言っていたよ、“嫌なことする人いるなら私が怒ってきてあげる”って。本当に…大好きな友達だったの」
「…それは、やっぱり笹森さんの言うことは今も信じることが出来ていないのだけど、でもだとしたらどうしてそんな面倒なことをするのか気になったの。だってあなたにメリットなんかないんだもの。だからもしかして本当に詩の手紙を預かっているのかなって」
美世は手紙の表面を見た。
すると、その手を止めた。スラスラと喋っていたのに突然言葉を止めた。そしてその封筒に書かれた美世ちゃんへという文字を見て手を震わせる。
「…詩の字、だ」
信じられないという表情をしたまま、封筒から便箋を取り出す。
詩はきっと遠くからだが親友である美世の様子を見ているはずだ。どうか、詩の想いが彼女に届いてほしいと願った。
「…嘘、どうして」
内容はもちろん読んではいない。だが、これは確実に詩が書いたものだ。
そして、二枚目の便箋に目を通すと美世の涙から大粒の涙が零れ、便箋にぼとぼとと落ちていく。そのうち、嗚咽を漏らしながらも「ありがとう」と言った。
「信じてもらえましたか」
「うん。これは…詩の字だ。ほら、見て。最後に四葉のクローバーを書くの。詩は絶対これを書いてくれるの。懐かしいなぁ、まだ一か月も経ってないっていうのに」
美世はそう言って詩の書いた手紙の一番下の部分だけを見せてくれた。
確かにそこにはクローバーが書かれてある。
「蒼君は、私の大切な友達って書いてある。知らなかったなぁ、私が一番の親友だと思っていたから詩のことならなんでも知っている自負があった。でも…それは驕りだよなぁ」
美世はそう言って空を見上げた。
まるで、天国にいる詩に話しかけているようだった。
「詩は…美世さんのこととても大切に思っているようでした。あと、詩は、一番の親友は美世ちゃんだって言ってました」
「本当に?それなら、嬉しい。でも…早すぎるよね。ずっと思ってたんだ。私の残りの寿命を半分あげるから、どうか詩を助けてくださいって。神様なんかいるわけないんだけど、それでも願っていた。現代の医学ではこれが限界だって分かってはいてもどうしてもね」
「僕も同じ気持ちです」
「そうだよね。詩は我が強くてクラスの子から嫌われていた時もただ一人、話しかけてくれた子なの。周りの目なんか気にしない、私なんかよりもずっと芯のある子だった。いつも言っていたよ、“嫌なことする人いるなら私が怒ってきてあげる”って。本当に…大好きな友達だったの」