頭の中でこの言葉がぐるぐるぐるぐる渦を巻く。世の中はこんなにも残酷なのか。傷ついた心に折り合いをつけることができない。最後のセーフティネットが破れてしまうと人はこんなにも打ちのめされるのか…。
豪介は電車に乗らず、歩いては休み、休んでは歩いてやっと家に帰ってきた。家に帰って来ると軽くシャワーを浴びて味のしない夕食を食べてベットに入った。起きていると考えてしまう、この考えることから逃げるには寝るしかないと思った。そして、寝たと思ったらすぐに飛び起きた。
『久保田と写っている写真を見ていた!』
つまり、それが意味することに気がついた。
心臓がドキドキする。呼吸が乱れる。
急いで階段を降りて冷蔵庫から麦茶を取り出すとコップに注いで一気に飲んだ。冷たい麦茶が喉を通ると幾分気分が落ち着いてくる。
今日は寝ることを諦めよう。迂闊に寝てしまったらとんでもないことになりそうだ。今日の衝撃が強すぎる。これ以上惨めな自分を感じたくない。本棚から漫画を取り出すと1巻から読み始め、ひたすら時間が過ぎるのを待った。
夜も2時を過ぎた時、漫画も読み飽きて窓の外の星空を眺めながら末松典子のことをもう一度じっくり考えてみた。考えたくて考えたのではなく、いつの間にか気がつけばそのことを考えてしまうので、いっそのことしっかり考えた方が楽になるのではと思ったのだ。ただこの時間、昼のショック状態から多少は冷静に物事が見えるようになっていたし、夜という時間が豪介を都合のいい哲学者にしてくれていた。
『僕はこの数週間おかしかった…』
そうおかしかったのだ。自分の経験の浅さという落とし穴にはまって、女子と付き合えるという甘い蜜を吸おうとしていた。でもそれは学年一のブスだ。そこに手を出さなかったというのは『ある意味救いだったのではないか…』そのことに気がつき豪介は少しだけ気持ちが前向きになった。
『そもそもよくよく考えれば僕は一度も好きですとは言ってない。そうだ、そうなんだ。ということは…』豪介はついにそのことに気が付いた。
『僕は典子に振られたわけじゃない!』
これは大きな大きなそしてとても大切な事実だった。ただ、頼み事をされただけだ。振られてもいないのに、落ち込む必要などないのだ。典子が好きなのは久保田だ、久保田こそ学年一のブスに相応しい男なのだ。
豪介は電車に乗らず、歩いては休み、休んでは歩いてやっと家に帰ってきた。家に帰って来ると軽くシャワーを浴びて味のしない夕食を食べてベットに入った。起きていると考えてしまう、この考えることから逃げるには寝るしかないと思った。そして、寝たと思ったらすぐに飛び起きた。
『久保田と写っている写真を見ていた!』
つまり、それが意味することに気がついた。
心臓がドキドキする。呼吸が乱れる。
急いで階段を降りて冷蔵庫から麦茶を取り出すとコップに注いで一気に飲んだ。冷たい麦茶が喉を通ると幾分気分が落ち着いてくる。
今日は寝ることを諦めよう。迂闊に寝てしまったらとんでもないことになりそうだ。今日の衝撃が強すぎる。これ以上惨めな自分を感じたくない。本棚から漫画を取り出すと1巻から読み始め、ひたすら時間が過ぎるのを待った。
夜も2時を過ぎた時、漫画も読み飽きて窓の外の星空を眺めながら末松典子のことをもう一度じっくり考えてみた。考えたくて考えたのではなく、いつの間にか気がつけばそのことを考えてしまうので、いっそのことしっかり考えた方が楽になるのではと思ったのだ。ただこの時間、昼のショック状態から多少は冷静に物事が見えるようになっていたし、夜という時間が豪介を都合のいい哲学者にしてくれていた。
『僕はこの数週間おかしかった…』
そうおかしかったのだ。自分の経験の浅さという落とし穴にはまって、女子と付き合えるという甘い蜜を吸おうとしていた。でもそれは学年一のブスだ。そこに手を出さなかったというのは『ある意味救いだったのではないか…』そのことに気がつき豪介は少しだけ気持ちが前向きになった。
『そもそもよくよく考えれば僕は一度も好きですとは言ってない。そうだ、そうなんだ。ということは…』豪介はついにそのことに気が付いた。
『僕は典子に振られたわけじゃない!』
これは大きな大きなそしてとても大切な事実だった。ただ、頼み事をされただけだ。振られてもいないのに、落ち込む必要などないのだ。典子が好きなのは久保田だ、久保田こそ学年一のブスに相応しい男なのだ。

