花田豪介は昨日ゆかりから二発目のビンタを喰らってまたしても心が散り散りになり、1日経ってもまだ心は空っぽのままだった。少しでも少しでも心を取り戻したい。そう思った時、豪介は知らず知らずのうちに2組の前を通っていた。
『心に温かいものが欲しい』
その温かいものとは、典子だった。
『典子をひと目みよう』
豪介は2組の前を通る時、教室内を覗いた。その時、廊下側の男子が豪介に気づき、「典子」と呼んだ。そして目があった。
『典子…』
豪介の心がポッと温かくなる。ようやくほんの少し心を取り戻した。
5時間目、豪介はお弁当を食べてお腹が満たされたこともあるだろう、典子のおかげである程度気持ちが落ち着いてきたこともあるだろう、授業を聞きながらうとうと居眠りを始めた。
『俺の写真を見ている!』
それは体育祭の時に撮った写真で、これを見ているということはつまり、『典子だ。典子と繋がっている』
そういえばさっき目があったことを思い出す。典子は写真をノートに挟んで閉じた。豪介はまた少し心がポッと温かくなった。
『いじらしい…』
2組はいま再任用のおじいちゃん先生による世界史の授業をしている。おじいちゃん先生は黒板に向かってブツブツ言いながら年表を書いている。すると典子が後ろの席から手紙らしきものをもらった。典子がその手紙を広げる。
【あいつと別れたよ】
典子が【なんで?】と紙切れに書いて後ろの席に渡す。ちらりと見えた後ろの女子はヒョウ柄真っ赤なツルツルパンティーの芽衣ちゃんだった。
『あっ芽衣ちゃんて…、そうかこの娘が大原純の彼女だったのかぁ』
豪介は大原純の彼女がこの芽衣って娘で、その芽衣ちゃんと典子が友達同士だと知った。しかもこの手紙によると二人は別れたらしい。また紙切れがやってきた。
【この前携帯見たら他の女とずっと連絡とってんの。しかも誕生日プレゼントまで渡すって。あたし浮気されるの嫌い】と、なっていた。
『ハッハッハ、ザマアミロだ!』スカッと胸がすく。牧園さんには信じてもらえなかったけど、ネコババ野郎のあいつに天罰が当たるのは小気味良い。振られた時のあいつの顔が見てみたかった。なんでもないことを装って髪の毛をクルクル触っていただろうか。それとも泣いて別れないでくれって言ったのだろうか。どちらにしても胸のすく思いだ。
芽衣からもう一枚手紙がやってきた。
『心に温かいものが欲しい』
その温かいものとは、典子だった。
『典子をひと目みよう』
豪介は2組の前を通る時、教室内を覗いた。その時、廊下側の男子が豪介に気づき、「典子」と呼んだ。そして目があった。
『典子…』
豪介の心がポッと温かくなる。ようやくほんの少し心を取り戻した。
5時間目、豪介はお弁当を食べてお腹が満たされたこともあるだろう、典子のおかげである程度気持ちが落ち着いてきたこともあるだろう、授業を聞きながらうとうと居眠りを始めた。
『俺の写真を見ている!』
それは体育祭の時に撮った写真で、これを見ているということはつまり、『典子だ。典子と繋がっている』
そういえばさっき目があったことを思い出す。典子は写真をノートに挟んで閉じた。豪介はまた少し心がポッと温かくなった。
『いじらしい…』
2組はいま再任用のおじいちゃん先生による世界史の授業をしている。おじいちゃん先生は黒板に向かってブツブツ言いながら年表を書いている。すると典子が後ろの席から手紙らしきものをもらった。典子がその手紙を広げる。
【あいつと別れたよ】
典子が【なんで?】と紙切れに書いて後ろの席に渡す。ちらりと見えた後ろの女子はヒョウ柄真っ赤なツルツルパンティーの芽衣ちゃんだった。
『あっ芽衣ちゃんて…、そうかこの娘が大原純の彼女だったのかぁ』
豪介は大原純の彼女がこの芽衣って娘で、その芽衣ちゃんと典子が友達同士だと知った。しかもこの手紙によると二人は別れたらしい。また紙切れがやってきた。
【この前携帯見たら他の女とずっと連絡とってんの。しかも誕生日プレゼントまで渡すって。あたし浮気されるの嫌い】と、なっていた。
『ハッハッハ、ザマアミロだ!』スカッと胸がすく。牧園さんには信じてもらえなかったけど、ネコババ野郎のあいつに天罰が当たるのは小気味良い。振られた時のあいつの顔が見てみたかった。なんでもないことを装って髪の毛をクルクル触っていただろうか。それとも泣いて別れないでくれって言ったのだろうか。どちらにしても胸のすく思いだ。
芽衣からもう一枚手紙がやってきた。

