写真が送られてきた。それは、芸能人にでもなれそうな素敵な男子の写真だった。
【どうだ、全然坊やじゃないだろう、高校2年間で随分変わったんだぜ】
文字を打つ手が震える。自分がこんなに素敵な男子とメッセージとはいえ会話していることが信じられなかった。きっと、文太の知り合いの本来の女子は自分とは正反対のすごく綺麗な人に違いない。
【格好いい】と打って、消した。
【まぁまぁね】と打って送った。
【どう、思い出した?】
思い出すも何も全然知らない人だった。それはそうだ、そもそも間違いメッセージなのだから。でも、このまま会話が終わってしまうのが寂しかった。
【あれ、思い出せない?】
どうしよう、どう返したらいい?
【あれ、オレもしかして間違ってメッセージ送ったかな?】
ダメ、なにか送らないと…。
【ゴメン、もしかして本当に間違いメッセージだった?】
どうしよう…。
【でも、会話できて楽しかったよ。せっかくだから友達になってよ、またメッセージ送るからさ。と言うか、またメッセージ送っていい?】
嬉しい。嬉しい…。
【うん。友達になってあげる】と打って、それを消して【仕方ないなぁ】と送った。
【やったぁ。Dカップと友達になれた】
【ばか】
【そうだ、初めまして。文太です】
あっ、どうしよう、名乗らないといけない。
【初めまして、コムギです】自分でもダサい変な名前だと思ったがまさか本名を名乗るわけにはいかないし、この辺でいいやと適当に決めた名前だった。
【今日はいいことがあったから嬉しいよ。それじゃコムギおやすみ】
【おやすみ文太】
自分に楽しいことが起こり始めている。そんな予感がした。
6月13日 水曜日
朝、目を覚ました花田豪介はニヤニヤしているのが自分でもわかった。なんて幸せな気持ちで目覚めることができたのだろう。今日は学校に行くのが楽しくなりそうだ。朝ごはんを食べるときも自分の機嫌がよほど良かったのか、母親から「どうしたの、なんか機嫌いいわね」と聞かれた。
「まあね」
「なんかいいことあったの?」
「まあね」
「彼女でもできたの?」
「いいや、大したことじゃないよ」
「何よ?」
「いいだろ」
「いいじゃないの、教えてよ」
「本当に大したことないんだよ」
「何よ?」
「いいよ」
「教えなさいよ」
【どうだ、全然坊やじゃないだろう、高校2年間で随分変わったんだぜ】
文字を打つ手が震える。自分がこんなに素敵な男子とメッセージとはいえ会話していることが信じられなかった。きっと、文太の知り合いの本来の女子は自分とは正反対のすごく綺麗な人に違いない。
【格好いい】と打って、消した。
【まぁまぁね】と打って送った。
【どう、思い出した?】
思い出すも何も全然知らない人だった。それはそうだ、そもそも間違いメッセージなのだから。でも、このまま会話が終わってしまうのが寂しかった。
【あれ、思い出せない?】
どうしよう、どう返したらいい?
【あれ、オレもしかして間違ってメッセージ送ったかな?】
ダメ、なにか送らないと…。
【ゴメン、もしかして本当に間違いメッセージだった?】
どうしよう…。
【でも、会話できて楽しかったよ。せっかくだから友達になってよ、またメッセージ送るからさ。と言うか、またメッセージ送っていい?】
嬉しい。嬉しい…。
【うん。友達になってあげる】と打って、それを消して【仕方ないなぁ】と送った。
【やったぁ。Dカップと友達になれた】
【ばか】
【そうだ、初めまして。文太です】
あっ、どうしよう、名乗らないといけない。
【初めまして、コムギです】自分でもダサい変な名前だと思ったがまさか本名を名乗るわけにはいかないし、この辺でいいやと適当に決めた名前だった。
【今日はいいことがあったから嬉しいよ。それじゃコムギおやすみ】
【おやすみ文太】
自分に楽しいことが起こり始めている。そんな予感がした。
6月13日 水曜日
朝、目を覚ました花田豪介はニヤニヤしているのが自分でもわかった。なんて幸せな気持ちで目覚めることができたのだろう。今日は学校に行くのが楽しくなりそうだ。朝ごはんを食べるときも自分の機嫌がよほど良かったのか、母親から「どうしたの、なんか機嫌いいわね」と聞かれた。
「まあね」
「なんかいいことあったの?」
「まあね」
「彼女でもできたの?」
「いいや、大したことじゃないよ」
「何よ?」
「いいだろ」
「いいじゃないの、教えてよ」
「本当に大したことないんだよ」
「何よ?」
「いいよ」
「教えなさいよ」