大原の見ているものを豪介も見ているので、彼女のヒョウ柄のパンティーがそのまま視界に入って来た。と、思ったらパンティーに興奮して目を覚ましていた。今見たヒョウ柄が目に焼き付いて心臓がばくばくしている。あんなに目の前で女子のパンティーを見たのは初めてだ。
『いいものを見た! これだけでも大原と繋がる価値はある!』
深呼吸をして気持ちを落ち着け、パンティー以外のことを考える。
『ネコババに関する動きはなかったかぁ』
6月8日 金曜日
学校ではこの日小さな事件が二つ起きた。
一つ目は担任の三島勇治先生が抜き打ちで英語のテストを実施したことだった。当然急なテストに3組のみんなは焦りうろたえブーイングの嵐となった。それはそうだ、つい先日やっと中間テストが終わったばかりだというのに、ここでまたテストがあるとは誰も想像もしていなかった。
三島先生は、「勉強しないで受けるテストこそ本当の実力がわかるというものだ。このテストで自分の弱点を見つけて欲しい」という先生らしいもっともすぎる理由とともにテストが行われた。
豪介にとって抜き打ちテストなどどうでもいいことだった。テストがあると言われても勉強はそんなにしない。ならば抜き打ちテストの方がまだみんなと同じような条件でテストを受けられる。もしかしたら抜き打ちテストの方が順位がいいかもしれない、と思いながらテストを受けた。
テストが終わると久保田が浮かない顔で豪介の元にやってきた。
「豪介できたか?」
「できるわけない」
「そうだよな」
「久保田は?」
「できた」
「えっ! まじで?」
「解らないところ以外は出来た」
「それ、どれくらい出来たんだよ?」
「だから解らないところ以外だよ」
「じゃあどれくらい解らなかったんだよ?」
「出来たところ以外だよ」
「面倒臭ぇ奴」
豪介は久保田を見て、久保田は豪介を見て、お互いできなかったことを見抜き安心しあっていた。イケていない世界の住人同士の仲間意識と連帯感のようなものがそこにあった。
このテストは3組の次は2組、そして1組と続き文系クラス全てで行われた。
そしてもう一つの事件は、蔵持銀治郎に関することだった。
昼休み、突然だった英語のテストの余波が覚めらやずその重い空気を引きずって各自がお弁当を食べていると、弁当を食べ終わった銀治郎が突然椅子の上に立ち上がった。
『いいものを見た! これだけでも大原と繋がる価値はある!』
深呼吸をして気持ちを落ち着け、パンティー以外のことを考える。
『ネコババに関する動きはなかったかぁ』
6月8日 金曜日
学校ではこの日小さな事件が二つ起きた。
一つ目は担任の三島勇治先生が抜き打ちで英語のテストを実施したことだった。当然急なテストに3組のみんなは焦りうろたえブーイングの嵐となった。それはそうだ、つい先日やっと中間テストが終わったばかりだというのに、ここでまたテストがあるとは誰も想像もしていなかった。
三島先生は、「勉強しないで受けるテストこそ本当の実力がわかるというものだ。このテストで自分の弱点を見つけて欲しい」という先生らしいもっともすぎる理由とともにテストが行われた。
豪介にとって抜き打ちテストなどどうでもいいことだった。テストがあると言われても勉強はそんなにしない。ならば抜き打ちテストの方がまだみんなと同じような条件でテストを受けられる。もしかしたら抜き打ちテストの方が順位がいいかもしれない、と思いながらテストを受けた。
テストが終わると久保田が浮かない顔で豪介の元にやってきた。
「豪介できたか?」
「できるわけない」
「そうだよな」
「久保田は?」
「できた」
「えっ! まじで?」
「解らないところ以外は出来た」
「それ、どれくらい出来たんだよ?」
「だから解らないところ以外だよ」
「じゃあどれくらい解らなかったんだよ?」
「出来たところ以外だよ」
「面倒臭ぇ奴」
豪介は久保田を見て、久保田は豪介を見て、お互いできなかったことを見抜き安心しあっていた。イケていない世界の住人同士の仲間意識と連帯感のようなものがそこにあった。
このテストは3組の次は2組、そして1組と続き文系クラス全てで行われた。
そしてもう一つの事件は、蔵持銀治郎に関することだった。
昼休み、突然だった英語のテストの余波が覚めらやずその重い空気を引きずって各自がお弁当を食べていると、弁当を食べ終わった銀治郎が突然椅子の上に立ち上がった。