「だからな、俺はもう決めたんだ」
久保田の顔には、典子から逃れられない諦めと、豪介に対する優越感と、自分が堕落していく罪悪感と、この夏休みに待ち受けるものに対する期待が入り混じっていた。その顔を見て、心が覚悟を決めたのだと豪介にも伝わった。
「俺は典子と生きていく」そう言って久保田は行ってしまった。
夏休みのある日
毎日暑い日が続いていた。青空と入道雲と蝉の声が夏を演出している。夏休みといっても豪介たち2年生は午前中だけの特別補習授業が一週間続いていた。
蔵持銀治郎と辛島優斗と小林美咲は相変わらずピンク色の雰囲気で話をしていて、夏休み前からそこに新たに中村芽衣が加わった。芽衣は銀治郎と付き合い始めたことが本当に嬉しいようで銀治郎にピッタリとくっつき、銀治郎はそんな芽衣ちゃんの肩を抱き寄せている。銀治郎は以前のように自分や牧園さんにちょっかいを出してくることはない。その代わり、久保田はからかった。
「久保田、今日はどこ触った?」
そんな時に久保田はおどけ半分で親指を立て言うのだった。
「大きな胸です」
豪介は退屈な授業の合間にうたた寝をしてしまい、意図せずみんなの近況を知った。
徳永伸也と有田律子の二人は付き合っている。あの日の夜の公園で、徳永が律子を体を張って守ったことがきっかけになったようだ。あの汚い部屋も綺麗になり、バイトも再開し身なりも少しだけマシになった。だが徳永は気がつけば律子のお尻を見て、それに気がついた彼女から怒られていた。
そういえば、三島先生と近藤先生は別れてしまったようだ。大悟のことで気落ちする三島先生に「私、もう三島先生にはついていけません」と言って割とあっさり去って行った。さらに、三島先生は1学期終了をもって、やめたのか、やめさせられたのか、学校からいなくなってしまった。
補習授業が終わり帰り支度をしていると、3組のドアを勢いよく開けて牧園さんが入ってきた。
「ゴンスケ来て!」牧園さんの笑顔が眩しい。
豪介たちはプールの横の桜の木陰に座った。空は青く、白い雲が光っていた。
「唯からね、手紙がきたの」と、牧園さんは本当に嬉しそうに豪介に手紙を見せた。
「ゴンスケと一緒に見ようと思って」と言って、手紙の封をあける。
自分と一緒に見るために手紙の封を開けずに待っていてくれた。本当はすぐにも見たかったはずなのに。
久保田の顔には、典子から逃れられない諦めと、豪介に対する優越感と、自分が堕落していく罪悪感と、この夏休みに待ち受けるものに対する期待が入り混じっていた。その顔を見て、心が覚悟を決めたのだと豪介にも伝わった。
「俺は典子と生きていく」そう言って久保田は行ってしまった。
夏休みのある日
毎日暑い日が続いていた。青空と入道雲と蝉の声が夏を演出している。夏休みといっても豪介たち2年生は午前中だけの特別補習授業が一週間続いていた。
蔵持銀治郎と辛島優斗と小林美咲は相変わらずピンク色の雰囲気で話をしていて、夏休み前からそこに新たに中村芽衣が加わった。芽衣は銀治郎と付き合い始めたことが本当に嬉しいようで銀治郎にピッタリとくっつき、銀治郎はそんな芽衣ちゃんの肩を抱き寄せている。銀治郎は以前のように自分や牧園さんにちょっかいを出してくることはない。その代わり、久保田はからかった。
「久保田、今日はどこ触った?」
そんな時に久保田はおどけ半分で親指を立て言うのだった。
「大きな胸です」
豪介は退屈な授業の合間にうたた寝をしてしまい、意図せずみんなの近況を知った。
徳永伸也と有田律子の二人は付き合っている。あの日の夜の公園で、徳永が律子を体を張って守ったことがきっかけになったようだ。あの汚い部屋も綺麗になり、バイトも再開し身なりも少しだけマシになった。だが徳永は気がつけば律子のお尻を見て、それに気がついた彼女から怒られていた。
そういえば、三島先生と近藤先生は別れてしまったようだ。大悟のことで気落ちする三島先生に「私、もう三島先生にはついていけません」と言って割とあっさり去って行った。さらに、三島先生は1学期終了をもって、やめたのか、やめさせられたのか、学校からいなくなってしまった。
補習授業が終わり帰り支度をしていると、3組のドアを勢いよく開けて牧園さんが入ってきた。
「ゴンスケ来て!」牧園さんの笑顔が眩しい。
豪介たちはプールの横の桜の木陰に座った。空は青く、白い雲が光っていた。
「唯からね、手紙がきたの」と、牧園さんは本当に嬉しそうに豪介に手紙を見せた。
「ゴンスケと一緒に見ようと思って」と言って、手紙の封をあける。
自分と一緒に見るために手紙の封を開けずに待っていてくれた。本当はすぐにも見たかったはずなのに。

