僕は犬のウンコだけど、特殊能力を持っている

 美咲さんが、呆れた、あれ銀治郎くんだったの。
 優斗君が、お前やりすぎなんだよ。
 銀治郎君が、悪戯だよ悪戯。
 優斗君が、普通ここまでするかよ。
 銀治郎君が、オレだって随分傷ついたんだぜ。
 優斗君が、嘘つけ?
 銀治郎君が、嘘だけど。
 優斗君が、どうしたんだよ美咲?
 美咲さんが、あんまり気持ちのいいものじゃないから。
 銀治郎君が、おいおい、だってあいつがオレのことフったんだよ。
 美咲さんが、もう、やめときなよこういうことするの。
 優斗君が、まぁ、今回はちょっとやりすぎだな。
 そして、銀治郎君が、わかったよ、もうしねぇよ。って言ったんだ。僕は知ってるんだ」と、豪介は先ほどの会話をそのまま一言一句全てを繰り返した。さすがに三人は黙ってしまい、何も言えないでいる。
 ゆかりも三人があっけにとられているのを見て、豪介が本当に銀治郎と繋がってこの会話を聞いていたんだと今更ながら感心した。
 豪介は豪介で自分の力に酔っていた。
『クゥー…、気持ちいい』
 自分の能力がこんな風に役に立つなんて、それも牧園さんの役に立ち、3組の勝ち組のこいつらを追い込めるなんて、やっぱり自分にこの能力があってよかったと身震いした。
 ゆかりが「卑劣よ」と銀治郎をなじると、「わかったよ、もうしねぇよ」と銀治郎が言った。
「それだけ?」
「だから、悪かったよ」
「私だけ?」
「…、はぁ?」
「私だけじゃないでしょう?」
「なんの話だよ?」
「私の友達にも嫌がらせをしたでしょう?」
「何言ってるのかわからねぇよ」
「今更とぼけないでよ!」
「とぼけてねぇよ」
「信じられない」
「お前の友達なんてしらねぇよ」
「私の友達も苦しめて私たちが傷つくのを楽しんでたでしょう?」
「それってもしかしたら1組の唯ちゃんのこと?」と美咲が聞いてきた。
「しらばっくれないで」
「ほら、1組の井上唯のやりとりしていたメッセージが出てきたって、あれじゃない」と美咲は銀治郎と優斗に説明する。
「そんなやつ知らねぇよ。だいたいオレは格好いいから振られねぇんだよ、お前だけだよ俺のこと振ったの。だからお前をデスったんだよ。お前の友達なんて興味ねぇんだよ。興味があるのはお前だけなんだよ」と言ってニヤニヤしだした。銀治郎から追い詰められている焦りがなくなってきた。