「えっ!」今ので終わったのではなかったのかと思ったが、どうやら終わらせてはくれなかった。
「これでいいだろメアリー」
『なんでこんなことになっちゃったの?』とゆかりは思う。
一方この時啓はゆかりが犯人を探すのなら、自分の力が役に立つかもしれないと思った。ゆかりを助けることができれば、ゆかりと友達になることもできる。
『これはチャンスだ!』
『助かった・・・。でも、このままではダメだ・・・。どうにかしないと、どうにかしないと、どうにかしないと・・・』
下校の時間になり、生徒が一人二人と教室を出ていく。啓は思い切ってゆかりに声をかけた。
「ゆかりさん」
「ん?」とゆかりが振り返る。自分を呼び止めたのがあの啓だと知る。
「ちょっと話があるんだ」
思い詰めた啓の顔を見て、ゆかりはメアリーの椅子の匂いを嗅いだのは啓だと勘違いした。
「あんただったの」
「えっ!」
「椅子の匂いを嗅いでいたのは?」
「違うよ」
ゆかりは嫌な役割を引き受けたものだと自分でも思う。だが、ここで正直に認めさせなければ徳乃真がみんなの前で吊し上げるかもしれない。それはあまりにも啓がかわいそうだ。
「ぼ、僕じゃないよ」
「ちょっと、あたしは味方をしてあげたんじゃない。正直に言ってよ」
「だって、僕じゃないんだよ」
「あぁもう、これだから変態って嫌いよ。いい、あのままだったらみんなの前で恥をかいていたのよ。私がついていってあげるから正直に謝りなさい」
「だから僕じゃないって」
「椅子の匂いを嗅ぐのは変態でどうしようもないことだけど、晒し者になる必要はないのよ。ほら、メアリーと徳乃真に謝ってそれで終わりにさせましょう」
「だから、本当に僕じゃないんだ」啓は今にも泣きそうな顔になった。
「・・・あぁ、もういい。じゃあ勝手にして。せっかく助けてあげたのに。もう知らないからね」と言うと啓を残してゆかりは教室を出て行った。
『どうして、こんなことに・・・。友達になれると思ったのに、犯人を僕が探すからと言いたかっただけなのに・・・』
4月22日 金曜日
この日、徳乃真はメアリーに言われたからか犯人探しをすることはなかった。表面上は何もない一日が過ぎ、下校時間になった。
「これでいいだろメアリー」
『なんでこんなことになっちゃったの?』とゆかりは思う。
一方この時啓はゆかりが犯人を探すのなら、自分の力が役に立つかもしれないと思った。ゆかりを助けることができれば、ゆかりと友達になることもできる。
『これはチャンスだ!』
『助かった・・・。でも、このままではダメだ・・・。どうにかしないと、どうにかしないと、どうにかしないと・・・』
下校の時間になり、生徒が一人二人と教室を出ていく。啓は思い切ってゆかりに声をかけた。
「ゆかりさん」
「ん?」とゆかりが振り返る。自分を呼び止めたのがあの啓だと知る。
「ちょっと話があるんだ」
思い詰めた啓の顔を見て、ゆかりはメアリーの椅子の匂いを嗅いだのは啓だと勘違いした。
「あんただったの」
「えっ!」
「椅子の匂いを嗅いでいたのは?」
「違うよ」
ゆかりは嫌な役割を引き受けたものだと自分でも思う。だが、ここで正直に認めさせなければ徳乃真がみんなの前で吊し上げるかもしれない。それはあまりにも啓がかわいそうだ。
「ぼ、僕じゃないよ」
「ちょっと、あたしは味方をしてあげたんじゃない。正直に言ってよ」
「だって、僕じゃないんだよ」
「あぁもう、これだから変態って嫌いよ。いい、あのままだったらみんなの前で恥をかいていたのよ。私がついていってあげるから正直に謝りなさい」
「だから僕じゃないって」
「椅子の匂いを嗅ぐのは変態でどうしようもないことだけど、晒し者になる必要はないのよ。ほら、メアリーと徳乃真に謝ってそれで終わりにさせましょう」
「だから、本当に僕じゃないんだ」啓は今にも泣きそうな顔になった。
「・・・あぁ、もういい。じゃあ勝手にして。せっかく助けてあげたのに。もう知らないからね」と言うと啓を残してゆかりは教室を出て行った。
『どうして、こんなことに・・・。友達になれると思ったのに、犯人を僕が探すからと言いたかっただけなのに・・・』
4月22日 金曜日
この日、徳乃真はメアリーに言われたからか犯人探しをすることはなかった。表面上は何もない一日が過ぎ、下校時間になった。

