「僕が誠寿に黙って萌美ちゃんと付き合う。時間が経つ。誠寿は他の子と付き合う。僕と萌美ちゃんのことはなんとも思わない・・・」と書いて、これは二重線で消した。誠寿が他の子と付き合うという可能性が極めて低いと感じたからだ。『僕たちはモテない』この大前提を忘れてはならない。今回萌美ちゃんが誠寿や僕に目を向けてくれたのは陽介のあの盗撮があったからだ。あれがなければ萌美ちゃんだって僕らに目を向けることはなかっただろう。今から陽介がもう一度事件を起こして、被害にあった女子から誠寿が相談を受けて、そして仲良くなって、付き合ってと言われる・・・そんなことはありえない。それじゃナチュラルに誠寿が他の女子から好かれるか・・・。それも多分無い。そんなことがないことぐらい誠寿もわかっているから萌美ちゃんにこだわるのだ。そしてそれは僕も同じだ。僕はこのチャンスを手放すと、しばらく彼女はできない。おそらく高校生の間は彼女はできないだろう・・・。となるとやはり、誠寿にはなるべく早く話をして怒られてしまったほうがいい。
『・・・ということかぁ』と結論づけた。
だが、問題はどうやって話をするか、どうやってうまく誠寿の気持ちを軟着陸させるかだ。こういうことは自分一人で考えるよりも誰かの知恵を借りたほうがいい。一人で考えていると誠寿が鬼のように怒って最終的に自分が殺される想像に行きついてしまう。誰に相談するべきか、本当は誠寿に相談するのが適任なのだが、そういうわけにはいかない。残すのはあと二人。英治と陽介。『二人とも心許ないけど、・・・ここは英治に相談しよう』
夜になり忠彦は机に座って気持ちを落ち着けると、英治にメッセージを送った。
『起きてる?』
英治からはすぐに返事が返ってきた。『まだ7時じゃん』
『あっそうだよね。実は英治に相談したいことがあるんだけど』
『何? 課題のこと?』
『いや、萌美さんのこと』
晩ご飯の前に少し課題を片付けておこうと机に向かっていた英治は忠彦からのメッセージの中に萌美の文字を見つけてドキンと心臓が反応した。
『・・・ということかぁ』と結論づけた。
だが、問題はどうやって話をするか、どうやってうまく誠寿の気持ちを軟着陸させるかだ。こういうことは自分一人で考えるよりも誰かの知恵を借りたほうがいい。一人で考えていると誠寿が鬼のように怒って最終的に自分が殺される想像に行きついてしまう。誰に相談するべきか、本当は誠寿に相談するのが適任なのだが、そういうわけにはいかない。残すのはあと二人。英治と陽介。『二人とも心許ないけど、・・・ここは英治に相談しよう』
夜になり忠彦は机に座って気持ちを落ち着けると、英治にメッセージを送った。
『起きてる?』
英治からはすぐに返事が返ってきた。『まだ7時じゃん』
『あっそうだよね。実は英治に相談したいことがあるんだけど』
『何? 課題のこと?』
『いや、萌美さんのこと』
晩ご飯の前に少し課題を片付けておこうと机に向かっていた英治は忠彦からのメッセージの中に萌美の文字を見つけてドキンと心臓が反応した。

