啓はそのまま男子トイレに向かった。個室に入りポケットからカプセルを取り出す。カプセルの土を落として巻かれているセロテープを外し、カプセルを開けると手紙と1000円が入っていた。
『徳乃真のすっごい秘密を知りたい それを聞いたら女子が引いてしまうようなすっごい秘密』と書いてあり、『手付として1000円。秘密によっては後2000円まで出す』文字はパソコンで書かれたものだった。
『3000円かぁ。大きな仕事が入ってきた・・・』
誠寿は英治の無神経さに腹を立てたときからつるんで帰ることはせず一人で帰るようになっていた。この日も一人で帰っていると後ろから声をかけられた。
「誠寿」
誠寿が後ろを振り向くとそこに忠彦がいた。
「おっ、忠彦かぁ。何? どうしたの?」
「あのさ、ちょっと話があるんだけど」
「何?」
「あっ、歩きながらでいいよ」
忠彦はそう言って誠寿と並んで歩き始めた。
「何?」
「うん、あのさ」忠彦はこんなことを話すのは初めてで、どう切り出していいかわからなかった。
「誠寿って、まだ萌美さんのこと」
「何、急に?」
「いや、なんとなく」
「なんで?」
「ちょっと・・・」
忠彦は勢いだけで話し始めたことを後悔した。こういうことはきちんと考えて話さなければダメだった。どう話していいのかよく分からない。不審がる誠寿に対してなんと言っていいのかわからなくなった。
「もしかして?」誠寿の表情が変わり、何かに気がついたような顔になった。
「・・・」
「萌美に聞かれたのか?」
「・・・あっ、うん」
忠彦は誠寿が自分と萌美のことを感づいている、と思った。
「萌美はまだ俺のこと好きだって?」
「えっ、あっ?」
「もう一度付き合ってもいいって言ってたのか?」
誠寿は自分が萌美との仲を取り持ってくれたのだと勘違いしたようだった。
「いや、そうじゃないけど」
忠彦がそう言った途端誠寿はあからさまにがっくりした。
「やっぱりダメなのかなぁ・・・。忠彦だから話すけど、俺萌美じゃないとダメなんだ、もう何も手につかなくてさ、こんな俺って変なのかな?」
「いや、変じゃないと思うよ」
「もう一度付き合いたいんだ・・・。忘れられないんだ」
忠彦は、誠寿の言葉を聞きたくなかった。それ以上、言わないでくれ・・・。と心で願った。それなのに、
「まだ、好きなのか?」
『徳乃真のすっごい秘密を知りたい それを聞いたら女子が引いてしまうようなすっごい秘密』と書いてあり、『手付として1000円。秘密によっては後2000円まで出す』文字はパソコンで書かれたものだった。
『3000円かぁ。大きな仕事が入ってきた・・・』
誠寿は英治の無神経さに腹を立てたときからつるんで帰ることはせず一人で帰るようになっていた。この日も一人で帰っていると後ろから声をかけられた。
「誠寿」
誠寿が後ろを振り向くとそこに忠彦がいた。
「おっ、忠彦かぁ。何? どうしたの?」
「あのさ、ちょっと話があるんだけど」
「何?」
「あっ、歩きながらでいいよ」
忠彦はそう言って誠寿と並んで歩き始めた。
「何?」
「うん、あのさ」忠彦はこんなことを話すのは初めてで、どう切り出していいかわからなかった。
「誠寿って、まだ萌美さんのこと」
「何、急に?」
「いや、なんとなく」
「なんで?」
「ちょっと・・・」
忠彦は勢いだけで話し始めたことを後悔した。こういうことはきちんと考えて話さなければダメだった。どう話していいのかよく分からない。不審がる誠寿に対してなんと言っていいのかわからなくなった。
「もしかして?」誠寿の表情が変わり、何かに気がついたような顔になった。
「・・・」
「萌美に聞かれたのか?」
「・・・あっ、うん」
忠彦は誠寿が自分と萌美のことを感づいている、と思った。
「萌美はまだ俺のこと好きだって?」
「えっ、あっ?」
「もう一度付き合ってもいいって言ってたのか?」
誠寿は自分が萌美との仲を取り持ってくれたのだと勘違いしたようだった。
「いや、そうじゃないけど」
忠彦がそう言った途端誠寿はあからさまにがっくりした。
「やっぱりダメなのかなぁ・・・。忠彦だから話すけど、俺萌美じゃないとダメなんだ、もう何も手につかなくてさ、こんな俺って変なのかな?」
「いや、変じゃないと思うよ」
「もう一度付き合いたいんだ・・・。忘れられないんだ」
忠彦は、誠寿の言葉を聞きたくなかった。それ以上、言わないでくれ・・・。と心で願った。それなのに、
「まだ、好きなのか?」

