花壇ではパンジーの手入れを丁寧にしていく。枯れた花を摘み、雑草を取る。下校していく生徒がいなくなった頃合いを見て、パンジーとパンジーの隙間にスコップで穴を掘り、そこにカプセルをそっと埋め黄色い鳥を立てた。
『これでいい』
中学の時、啓は人の気持ちを言い当てることができると噂になった。そしてある女子から好きな男子が自分をどう思っているのか教えて欲しいと言われ、その男子の気持ちを教えるとお礼と言って1000円もらった。他にも男子の気持ちを知りたいという女子が現れ、直接のやり取りをしなくていいように『花壇の赤い鳥と黄色い鳥』の方法を考えた。高校になり、試しに花壇に赤い鳥と黄色い鳥を立てておいた。もしかしたら自分の噂を知っている人が見つけたら仕事を依頼してくるかもしれない。案の定、黄色い鳥が抜かれ、赤い鳥だけが立った。その赤い鳥の下を掘るとカプセルに入った1000円と依頼の手紙が現れた。啓はその日のうちに園芸部に入部し、自分の担当を正門向かって右側の花壇にしてもらい、誰からも文句を言われないように花の手入れを完璧にするようにした。啓は小さい頃から優しい性格で生き物や植物が好きだったので園芸部自体の活動も苦にならなかった。しかも正門の花壇というみんなが見る場所ということもあり張り切って花の手入れをしていた。赤い鳥は一月に2回から3回の割合で花壇に立った。
啓は満足そうに花壇を眺めた。
啓はバケツを持って一旦部室に戻る。他の部員はすでに帰っているようで、どうやら啓が最後のようだった。道具を片付けて部室の鍵を閉め、職員室に鍵を戻し校舎を出る頃には空がオレンジに染まっていた。ほとんどの生徒は帰り、歩いているのは啓ぐらいだ。啓が正門を出るとそこにガラの悪い、年は二つ三つ上の男たちが三人でたむろしていた。中の一人はなんとなく見たことのある顔で、きっとこの高校の卒業生だろう。手には啓の赤い鳥と黄色い鳥を持ってブンブン振り回していた。その男たちがタバコを吸って啓の花壇に吸い殻を差し込んでいる。
『あれは、あの場所は・・・』
『これでいい』
中学の時、啓は人の気持ちを言い当てることができると噂になった。そしてある女子から好きな男子が自分をどう思っているのか教えて欲しいと言われ、その男子の気持ちを教えるとお礼と言って1000円もらった。他にも男子の気持ちを知りたいという女子が現れ、直接のやり取りをしなくていいように『花壇の赤い鳥と黄色い鳥』の方法を考えた。高校になり、試しに花壇に赤い鳥と黄色い鳥を立てておいた。もしかしたら自分の噂を知っている人が見つけたら仕事を依頼してくるかもしれない。案の定、黄色い鳥が抜かれ、赤い鳥だけが立った。その赤い鳥の下を掘るとカプセルに入った1000円と依頼の手紙が現れた。啓はその日のうちに園芸部に入部し、自分の担当を正門向かって右側の花壇にしてもらい、誰からも文句を言われないように花の手入れを完璧にするようにした。啓は小さい頃から優しい性格で生き物や植物が好きだったので園芸部自体の活動も苦にならなかった。しかも正門の花壇というみんなが見る場所ということもあり張り切って花の手入れをしていた。赤い鳥は一月に2回から3回の割合で花壇に立った。
啓は満足そうに花壇を眺めた。
啓はバケツを持って一旦部室に戻る。他の部員はすでに帰っているようで、どうやら啓が最後のようだった。道具を片付けて部室の鍵を閉め、職員室に鍵を戻し校舎を出る頃には空がオレンジに染まっていた。ほとんどの生徒は帰り、歩いているのは啓ぐらいだ。啓が正門を出るとそこにガラの悪い、年は二つ三つ上の男たちが三人でたむろしていた。中の一人はなんとなく見たことのある顔で、きっとこの高校の卒業生だろう。手には啓の赤い鳥と黄色い鳥を持ってブンブン振り回していた。その男たちがタバコを吸って啓の花壇に吸い殻を差し込んでいる。
『あれは、あの場所は・・・』

