「俺は昔からの付き合いだから忠彦が変態だって知ってるんだ。萌美の体操服だって匂ったことがあるんだ。誠寿だって知らない話だよ、俺と忠彦の秘密だったから。まだ誠寿と萌美が付き合ってる時だったよ。ほら嗅いでみろって言われたことがあって、だから、僕もちょっとだけ。これは正直に話すけど、僕もちょっと嗅いだことあるんだ。それで、忠彦にメアリーの椅子の匂いを嗅いでみろって言われたときに、断ったら体操服の匂いを嗅いだことを誠寿にばらすって言われて、だから嫌々だったんだ。嫌々だったんだけど、ほんのちょっと、ほんのちょっと、嗅いだんだ。そしたらそこにメアリーがやってきて。あいつメアリーが来たらとっさに隠れて、僕だけを犯人にしたんだ。だから、僕も忠彦に同じことをしただけで、これはお互い様なんだ。ただちょっと忠彦が鈍臭くてメアリーに顔を見られたからこんなことになったんだ。最初はあいつがやったんだ」英治は泣きそうになりながら『これで信じてくれるだろう』と熱弁した。
「忠彦君はそんな男じゃない!」啓はずっと忠彦の病室にお見舞いに行っていて忠彦がどういう男なのかよくわかっていた。その忠彦を悪者にしてこの場を逃げようとする英治に我慢ができなくなった。
「忠彦君はいいやつだよ。それなのに・・・。お前、忠彦君と友達なんだろう、なのになんでそんなこと言うんだ!」
「あいつが僕を犯人にしたんだよ、あんな奴、友達じゃないよ」
ゆかりの中で我慢していたものが切れた。
そして英治は見た。ゆかりや萌美、誠寿の背後の壁から黒い影が這い上がっていくのを。自然法則を無視したようなその影はどんどん伸びて形をなしてゆく。『どうして、どうしてこんなところに影ができる。影を作る光もあたってないのに・・・』そしてその影は意志があるかのように形に変えた。英治は背筋が寒くなった。影は真っ黒い人の形になったのだ。
「あんたなんか、あんたなんか・・・」ゆかりの声は怒りで震えている。
「忠彦君はそんな男じゃない!」啓はずっと忠彦の病室にお見舞いに行っていて忠彦がどういう男なのかよくわかっていた。その忠彦を悪者にしてこの場を逃げようとする英治に我慢ができなくなった。
「忠彦君はいいやつだよ。それなのに・・・。お前、忠彦君と友達なんだろう、なのになんでそんなこと言うんだ!」
「あいつが僕を犯人にしたんだよ、あんな奴、友達じゃないよ」
ゆかりの中で我慢していたものが切れた。
そして英治は見た。ゆかりや萌美、誠寿の背後の壁から黒い影が這い上がっていくのを。自然法則を無視したようなその影はどんどん伸びて形をなしてゆく。『どうして、どうしてこんなところに影ができる。影を作る光もあたってないのに・・・』そしてその影は意志があるかのように形に変えた。英治は背筋が寒くなった。影は真っ黒い人の形になったのだ。
「あんたなんか、あんたなんか・・・」ゆかりの声は怒りで震えている。

