オナラはなんでも知っている

「何、あの手紙って?」メアリーが聞く。
「徳乃真君の秘密が書かれていた手紙」
「あぁ。忠彦君が入れた手紙のこと?」とメアリーが答える。
「そう、それ。あれは机に入っていたの?」
「そうよ、愛美が見つけたの。ねぇ、愛美」
「えっ、えぇ」愛美は明らかに動揺している。
「それなんだけど、忠彦君に聞いたらね、椅子の匂いを嗅いだ時、机の中には何も入ってなかったっていうのよ」
「どういうこと?」メアリーが怪訝な顔をしてゆかりを見た。
「愛美ちゃん、あなたなんでしょう、手紙を用意したのは」
「えっ!」メアリーが驚いて愛美を見る。
 愛美はもともと小心者なのだろう、うろたえてしまってもう自分が入れたと言っているようなものだった。ゆかりはもう一度愛美に言った。
「あなたなんでしょう」
「・・・だって、だって、徳乃真すごく嫌なやつなんだもん。私周りの男子からいろいろ聞いてて、我慢できなかった。メアリーと付き合う時だって紗里亜ちゃんのことゴミみたいに捨てて。それでメアリーと付き合い始めたらすぐにセックスするって言い出して。もししたらどうだったか教えてやるって言うんだよ。あいつ女の子の気持ちなんて全然考えないし。女の子をものとしか思ってなくて。メアリーとセックスしたら絶対ああだったこうだったってみんなの前で自慢するのよ。そんなの絶対にさせちゃいけないと思って。メアリーと徳乃真を別れさせなきゃいけないと思って。それで徳乃真の秘密を探って、それでいぼ痔で手術したって知って」
 するとメアリーが笑い出した。心の底から楽しそうに笑った。
「どうしたの?」愛美が聞く。
「何、徳乃真ていぼ痔だったの? 知らなかった」
「えっ?」
「あんなに格好つけといて、そりゃプライドの高い徳乃真なら恥ずかしいわ」
 愛美のしたことは軽率なことだとは思うが、ゆかりは同じ女子として愛美の気持ちも理解できた。それでも、愛美が忠彦のせいにしたことは許されることではない。
「徳乃真はメアリーがその手紙を見たと思って、それを出したのが忠彦君だと思ったから忠彦君はあんな酷い目にあったのよ」