「忠彦君、お見舞いに来たんだ」
「・・・どうぞ」と声がした。
啓がカーテンを開ける。
忠彦がそこにいる啓の姿を見つけ少しびっくりした。それはそうだ、クラスメイトと言ってもほとんど話したことがなく、トイレで話しかけられてオナラの匂いを嗅いだぐらいの接し方しかしたことがない。それが急にお見舞いに来たのだ、忠彦の困惑もうなづける。
「どうしたの?」
「うん、お見舞いにきたんだ」
「ありがとう」忠彦はきっと学校からお見舞いに行けと言われてジャンケンで負けて仕方がなく啓が来たのだろう。もしかしたらジャンケンで負けたのではなく無理やり誰かの代わりで行かされたのかもしれない、と思った。
「元気?」啓はお見舞いの言葉をなんてかけていいのか分からなくてつい、元気? と聞いてしまった。
「うぅん」忠彦もあまり仲良くなかった啓から元気かと聞かれてもどう答えていいかよく分からない。
「これ差し入れ、暇だろうと思って漫画持ってきた」
「ありがとう。まだよく動けないから助かるよ。そこに置いてくれる」
「うん」
「・・・」二人の気まずい沈黙が流れた。
「僕も、漫画読んでいいかな?」
「いいよ、だって君のだろう?」
「あっ、そうだね」
「そこに座っていいから」
啓が見るとそれは箱型の椅子だった。座面を上にあげると入院患者の着替えなどを入れるケースになっていて、着替えやタオルを入れられ、お見舞いの人がきたらそこに座れるようになっている。その椅子に座ってきっちり1時間漫画を読んだ。その間会話はなかった。そして、帰ることにした。
「また来るよ」
啓はそう言ってカーテンを元どおりに閉めて病室を出た。そして1階で待っているゆかりのもとにやってきた。
「どうだった?」
「漫画面白かったよ」
「バカ」
「・・・まだ、オナラは嗅げなかった」
「そう。そりゃそうよね、お見舞いに来てくれてるのに、なかなかオナラは出さないわよね」
「そうだね」
「これは持久戦ね」
「うん、僕明日も来るよ」
ゆかりは啓のやる気の原因を思うとなんとも嫌な気分になる。だが、今はこいつに期待するしかない。
「お願いね・・・」
「今日も来たよ」
啓はゆかりとした約束を守ってこの日も忠彦のお見舞いにやってきた。
忠彦はゴールデンウィークにお見舞いにきた啓を少し気の毒に思った。先生からよほど言われているに違いない。
「・・・どうぞ」と声がした。
啓がカーテンを開ける。
忠彦がそこにいる啓の姿を見つけ少しびっくりした。それはそうだ、クラスメイトと言ってもほとんど話したことがなく、トイレで話しかけられてオナラの匂いを嗅いだぐらいの接し方しかしたことがない。それが急にお見舞いに来たのだ、忠彦の困惑もうなづける。
「どうしたの?」
「うん、お見舞いにきたんだ」
「ありがとう」忠彦はきっと学校からお見舞いに行けと言われてジャンケンで負けて仕方がなく啓が来たのだろう。もしかしたらジャンケンで負けたのではなく無理やり誰かの代わりで行かされたのかもしれない、と思った。
「元気?」啓はお見舞いの言葉をなんてかけていいのか分からなくてつい、元気? と聞いてしまった。
「うぅん」忠彦もあまり仲良くなかった啓から元気かと聞かれてもどう答えていいかよく分からない。
「これ差し入れ、暇だろうと思って漫画持ってきた」
「ありがとう。まだよく動けないから助かるよ。そこに置いてくれる」
「うん」
「・・・」二人の気まずい沈黙が流れた。
「僕も、漫画読んでいいかな?」
「いいよ、だって君のだろう?」
「あっ、そうだね」
「そこに座っていいから」
啓が見るとそれは箱型の椅子だった。座面を上にあげると入院患者の着替えなどを入れるケースになっていて、着替えやタオルを入れられ、お見舞いの人がきたらそこに座れるようになっている。その椅子に座ってきっちり1時間漫画を読んだ。その間会話はなかった。そして、帰ることにした。
「また来るよ」
啓はそう言ってカーテンを元どおりに閉めて病室を出た。そして1階で待っているゆかりのもとにやってきた。
「どうだった?」
「漫画面白かったよ」
「バカ」
「・・・まだ、オナラは嗅げなかった」
「そう。そりゃそうよね、お見舞いに来てくれてるのに、なかなかオナラは出さないわよね」
「そうだね」
「これは持久戦ね」
「うん、僕明日も来るよ」
ゆかりは啓のやる気の原因を思うとなんとも嫌な気分になる。だが、今はこいつに期待するしかない。
「お願いね・・・」
「今日も来たよ」
啓はゆかりとした約束を守ってこの日も忠彦のお見舞いにやってきた。
忠彦はゴールデンウィークにお見舞いにきた啓を少し気の毒に思った。先生からよほど言われているに違いない。

