「それで……って、さっちゃん?」
「あ、ごめん、大丈夫」
 浮かない顔をした気がするのは気の所為だろうか。
「それで、翔介くんは余命、半年で……!」
「っ!」
「昨日、倒れて……!救急車で運ばれたのは翔介くんだよ」
「っ!星羅!」
 さっちゃんが涙を流して抱きついてきた。
「うっ……」
 わたしは抱き締め返し、嗚咽を洩らすさっちゃんを宥めた。
「わたしはっ、もう、大丈夫だからっ……」
 語尾が震え、頬が濡れていることに気付いた。
「星羅!泣け!泣いて全部流せ!」
「うっ……あああ……!」
 泣いた。泣いて泣いて泣いた。やっと涙が枯れたのは、泣き始めて数時間経った頃だった。その間、さっちゃんはずっと背中を摩ってくれた。