その切実な願いに、涙が溢れそうになった。
「っ……!」
 哀しそうに笑う翔介くんを、わたしは泣きながら抱き締めた。
「泣かないでよ、星羅。僕は大丈夫だから」
「っ……!翔介、くん……」
「ごめんね、星羅」
 彼がどうして謝るかが全くわからなかった。ただ、もう絶対に一人にしたくないと思った。

『お越しくださった皆様、もう閉園のお時間ですので、気をつけてお帰りください。またのお越しをお待ちしております』
 外に出るなり、女性の閉園アナウンスが園の中に響いていた。
 離れたくない、と思ってしまう。
「もう帰ろうか」
「うん……」
「なに?離れるのが淋しいの?」
「そんなこと、な、いし……」
「えー?そうなの?僕はめちゃくちゃ淋しいけど、星羅は淋しくないんだ」
 翔介くんが感傷的な声を出した。
「え⁉︎いやいや!わたしだって淋しい!」
「あはは、やった」