「ん……」
「わっ」
起こしてしまっただろうか。
今日は最終下校時刻まで寝かせた方がいいだろう。
わたしは静かに保健室を後にした。
取り敢えず教室に戻ろう。そう思い、教室に入った。
いつもなら静かになり、微かな笑い声が聞こえたのに。
いつもなら机に悪戯がされ、悪口を言われたのに。
朝以外、何もされなかった。
戸惑いが隠せない。わたしが二人に切れたからだろうか。
どちらにせよ、虐めがなくなるならどうでもいい。
わたしは鞄を取り、もう一度保健室へ戻った。
*
「はあっ、待たせてごめん……!」
わたしは、噴水の前に立つ翔介くんに声を掛けた。
「そんな待ってないよ。さっ、行こう」
翔介くんは、わたしの手を取って微笑む。
不意打ちの笑顔に、心臓が跳ねた。顔が熱くなる。
わたしたちは先週から付き合い出した。彼の頭上の数字にはいつも涙が出そうになるけれど、最期までずっと一緒にいると決めたのだ。
そして、今日は動物園へ初デートに来た。翔介くんのカジュアルな白Tシャツとジーンズにドキリと心臓が音を立てる。
わたしは手を握り返し、いつもの癖で俯いてしまった。すぐに顔を上げる。
「わっ」
起こしてしまっただろうか。
今日は最終下校時刻まで寝かせた方がいいだろう。
わたしは静かに保健室を後にした。
取り敢えず教室に戻ろう。そう思い、教室に入った。
いつもなら静かになり、微かな笑い声が聞こえたのに。
いつもなら机に悪戯がされ、悪口を言われたのに。
朝以外、何もされなかった。
戸惑いが隠せない。わたしが二人に切れたからだろうか。
どちらにせよ、虐めがなくなるならどうでもいい。
わたしは鞄を取り、もう一度保健室へ戻った。
*
「はあっ、待たせてごめん……!」
わたしは、噴水の前に立つ翔介くんに声を掛けた。
「そんな待ってないよ。さっ、行こう」
翔介くんは、わたしの手を取って微笑む。
不意打ちの笑顔に、心臓が跳ねた。顔が熱くなる。
わたしたちは先週から付き合い出した。彼の頭上の数字にはいつも涙が出そうになるけれど、最期までずっと一緒にいると決めたのだ。
そして、今日は動物園へ初デートに来た。翔介くんのカジュアルな白Tシャツとジーンズにドキリと心臓が音を立てる。
わたしは手を握り返し、いつもの癖で俯いてしまった。すぐに顔を上げる。