やっと「保健室」のプレートが見えた。
「竹森くんっ!」
 思いっきり扉を開け、開口一番にそう叫んぶ。怒られると思うけれど、そんなことどうでもよかった。
「ちょっと、あなた?保健室でそんな叫ばないでくださいます?」
 案の定、養護教諭の先生に怒られた。
「そんなことどうでもいいんです!竹森くん!竹森くん!」
「ちょっと……!」
「っ……!竹森っ、くん!」
 また涙が溢れる。閉じた口の端から、小さな嗚咽が洩れた。
「あなた、大丈夫なの?」
 遂には、先生に心配された。
「大丈夫です。っく……竹森くん?いるの?」
「……星羅?」
 クリーム色のカーテンが開き、血色を失った竹森くんが出てきた。
「うっ……!竹森くん!」
 わたしは竹森くんに走って近づき、涙ながらに自分の気持ちを伝える。
「っ!竹森くん!わたしっ、っく、竹森くんが好きだよっ!たったの二日しか会ってないのに、竹森くんが恋しかった!っく!死ぬなんて冗談、言わないでよおっ!ううっ……!うああああっ……!」