わたしの言葉に、竹森くんが息を呑んだ。微かに目が見開かれている。
「そう、なんだね。よく、頑張ったね、星羅」
　そう言われたとき、心の堤防が壊れた。
「うっ、ううっ、あああっ……！っく、うああっ……」
　嗚咽が、本当に止まらない。収まったと思った涙がまた溢れ出す。
　そんなわたしを竹森くんは、優しく、そうっと抱き締めた。
　そんなとき、後頭部に衝撃的な一言が降ってきた。
「星羅っ……！好きだっ……」
　刹那、涙が止まる。
「え」
　どうゆうこと⁉︎わたしを好き⁉︎二日しか経ってないのに？
　驚いて埋めていた顔を上げると、苦しそうに眉を寄せた竹森くんがいた。
「しまった……」
「竹森くん？」
　竹森くんはわたしを離し、逃げるように走っていってしまう。
「竹森くんっ！待って！」
「ごめんね、星羅」
　この場には、竹森くんの捨て台詞だけが響いていた。