顔が歪まぬよう続ける。
「わたしなんかに関わってたら、友達、居なくなるよ。自分で言うのもあれだけど、わたし、根暗で虐められてるし、一緒に巻き添え食らうだけだから」
 そうだ。ここで彼に関わったら、今まで頑張って築き上げたものが、ガラガラと崩れてしまう。
「それに、わたし、人と関わりたくないの。だから、じゃあ、ね」
 だめだ。彼といたら、わたしの頑張りが消えるの。だから、だめ。
 ——なのに。
 なんで、どうして、涙が出そうなの?
 鼻の奥がツンと痛み、視界が霞む。わたしは更に深く俯いた。
「身体を、お大事にね」
 その言葉を絞り出したとき、彼が目を見開いた。
 余命が近いんだから、思い当たる節があるのだろう。考えたくもないが、心臓の病気かもしれない。進行して、手遅れなのかも。