馬鹿にした口調は続く。
「ってかさ、その男、あたしらに喧嘩売ってきたんだよ？んで今日また再戦しようと思ってんだよねぇ」
「ほんっとさ、馬鹿だよね、あの男。あたしらに喧嘩なんて」
「可哀想だなあ、その男」
　高木くん……！嫌だ、怖い。
「竹森クンかぁ……。あとで喧嘩ふっかけっかなぁ」
「やめて！」
「あぁ？」
　デジャヴ。叫んだ瞬間そう思った。この前だってギャルに叫んだばかりなのに。
「あっれえいたのぉ？男垂らしさん」
　え？男垂らしって……。昨日の竹森くんとのこと？そんなふうに言われてるの？
「裸足で馬鹿みてぇだな。男垂らし」
「え……？」
　確かに裸足だ。朝来たら上履きが無かったから。でも、それ以前に男垂らしって、流石に酷い。
「ごっめーん！昨日のこと、高木に話しちゃったぁー！」
「あ……。いや、だいじょうーー」
　大丈夫、と言おうとしたら、バン！と入口から派手な音がした。