「ようこそ日和堂へ。お祓い、治療、なんでもいたします」
水明町の外れにある、小さな店。
手書きの暖簾をくぐれば、四方を薬棚に囲まれ、様々な物品の並ぶ異空間が広がっている。
その中央に鎮座するは、一人の娘。
彼女の名は静寂早苗。
この「日和堂」の主であり、れっきとした祓い師である。
ここへは様々な患者が救いを求めてやってくる。
というのも、彼らが患っているのは普通の病ではない。
呪詛、怨念、あやかしがらみ、そういった通常では治せない特殊な奇病だ。
早苗は自身の祓い師としての力を用い、彼らの病を取り除くことを生業としている。
そして、そんな早苗の隣に常にいるのは時仁という名の青年である。
彼は早苗の助手を名乗る、早苗の恋人である。
少し長い黒髪を後ろで軽く結い、黒の着流しをまとう姿は色男のようでありながら、その長身は威圧感さえ感じる。
しかし、そんな彼は口を開けば底抜けに明るくおおらかに笑う、見た目に反した性格をしていた。
冷静で落ち着いた性格の早苗と対照的に、明るく陽気な時仁は、ひっそりとした小さなこの店に、賑やかさを与えている存在だ。
しかし。
その男があやかしであることは、早苗しか知らない。
水明町の外れにある、小さな店。
手書きの暖簾をくぐれば、四方を薬棚に囲まれ、様々な物品の並ぶ異空間が広がっている。
その中央に鎮座するは、一人の娘。
彼女の名は静寂早苗。
この「日和堂」の主であり、れっきとした祓い師である。
ここへは様々な患者が救いを求めてやってくる。
というのも、彼らが患っているのは普通の病ではない。
呪詛、怨念、あやかしがらみ、そういった通常では治せない特殊な奇病だ。
早苗は自身の祓い師としての力を用い、彼らの病を取り除くことを生業としている。
そして、そんな早苗の隣に常にいるのは時仁という名の青年である。
彼は早苗の助手を名乗る、早苗の恋人である。
少し長い黒髪を後ろで軽く結い、黒の着流しをまとう姿は色男のようでありながら、その長身は威圧感さえ感じる。
しかし、そんな彼は口を開けば底抜けに明るくおおらかに笑う、見た目に反した性格をしていた。
冷静で落ち着いた性格の早苗と対照的に、明るく陽気な時仁は、ひっそりとした小さなこの店に、賑やかさを与えている存在だ。
しかし。
その男があやかしであることは、早苗しか知らない。