アオと入口に入ると、滝の様に下に流れる滝道(キャタラクト)を通る。
相変わらず滝道の波は激しく、アオの手が離れそうになる為アオを俺の方に抱き寄せた。

「アオ、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だけど凄い波!こんな道をセラは通ってきたのか!?」
「まぁな、慣れたらそれ程でもない。ほらそろそろ着くぞ」
「んっ…」

出口が見えてきた瞬間、オーシャンに辿り着いた。

「ん…」
「アオ、着いたぞ…目を開けてみろ」
「…凄い…着いた…ここがオーシャン?」

たどり着いた場所はオーシャンで最も神聖なる場所に辿り着いた。
他の奴らも無事に辿り着いて、やはり番達はアオと同じく驚いている。

「よくぞ、天海人と契り参られた陸の人間よ」
「だ、誰!?うわぁ!?」

集まった俺達の前にポセイドン様が現れた。
相変わらず神だからか、神々しく雄々しい。

「こ、これが…海神のポセイドン…でかぁ」
「先ず、我らのオーシャンバトルに参加したことに感謝する」
「いや、それほどでは…」
「…お前達は、天海人と契った事により天海人の力を得てる。海と陸の均衡を保つ為に、陸に戻るのは私の許可がない限り戻れはしない。
だが、その代わりに陸の人間にも願いを叶えさせるのと、オーシャンで暮らせるように援助はするつもりだ。もちろん闘いで死ななければな」

ポセイドン様は淡々と陸の人間達に今後の事を説明し、オーシャンバトルのルールも俺達に説明した。

「ルール自体は難しくはないな!」
「そういうエスパーダ、お前はルール忘れそうだな」
「こんな簡単なルール俺が忘れるわけ……げっ!シャクナゲ!!」

先に着いてたシャクナゲとクレイオーが現れた。

「ダメですわシャクナゲ、人を煽る様なことしたら」
「そうだった!ごめんな!エスパーダ」

この2人、クレイオーは7天の治癒でシャクナゲは7天の拳闘。
歴代7天で数少ないメスの戦士だ。
見た目は周りから絶賛するほど美しいが、戦いになると恐ろしくなる。

「あれ?2人の番は?どうしたんだ?」
「あー……そうなんだよオルカ。カネロのやつちょっと気を失ってる!激しくヤリすぎたかもしれん!」
「ちょっと、私たちあの月ですので…ついね?」
「あーなるほど……オス組は美味しく喰われたのか」
「お前らに喰われたとなると、数日は目が覚めないな」
「あらあら、そんなこと言わないで?もちろん回復させて、一緒に同調率あげる修行しますわ」

クレイオーは可愛らしく言ってはいるが、オスからすれば、かなりの鬼畜すぎる事だ。
天海人のメスは魔力が高ければ高いほど、繁殖月になった時の性欲は凄まじく、番のオスが、メスの性欲に溺れ死ぬほどだ。
シャクナゲやクレイオー位のメスになれば、性欲が強くてもコントロールができるから、オスが死ぬ事はない。
しかし、可哀想なことだ……同調率を100%以上にさせるためにほぼ毎日ヤられると考えると恐ろしい。
それに比べ天海人のオスは性欲が強くてもメスみたいに凄まじくはない…まぁ、種族別に繁殖月も時期も違うけど。

互いに久しぶりに多少会話をし、そしてポセイドン様の後を去り、試合期間まで仲間に干渉し過ぎないために速やかに住処に戻っていった。