「じい様!!」
「おぉ!シャクナゲ」
「じい様!みてみて!今日は大きなマグロを仕留めたよ!」
「立派なマグロだ、この大きさなら村の皆の分はある」
「じゃ、じゃあ!今日は皆で宴!?」
「そうだな。シャクナゲ、村の皆にこの事を伝えてくれないか?」
「分かった!」

シャクナゲはモンハナ族の長の孫娘だった。
シャクナゲの両親は、先の魔界戦争により戦士として亡くなり、祖父であるシャクナギの元で育った。
天真爛漫で、村の者からも好かれていた可愛らしく、村の事はやな言葉一言も言わず、自分から取り組むという心優しい娘だった。
そんなある日の事だった、村に1人の男が現れた。
身体は大きく強靭で、背中にイルカやサメが持つ特徴的な背鰭、サメ特徴な背鰭。
そして、その男はオーシャンなら知る人は知る罪人。

「メガロドン!?、なぜ貴様の様な男がここにいる!」
「久しぶりだな、シャクナギ。まさか村の長になるとはな」
「……お前こそ、なぜここに来た」
「…鍵を貰いにきた」
「!?」
「お前が、大人しく渡せば村には手は出さない」
「……あの鍵は絶対渡せないぞ!」
「そうかならば、死ね」

ドォォォォォン!!

「!?…今のは」
「どうしたんだシャクナゲ?」
「今の凄まじい音、長家から聞こえ……じい様!」
「おい!シャクナゲ!」

シャクナゲは鍬を投げ捨て、直ぐに長家に向かった。
 
「嫌な予感がする…じい様!じい…っ!?」

シャクナゲが長家に着く頃には、長家は破壊されていた。

「じい様!どこ!!じい様!」
「……っ、シャクナゲ…」
「じい様!」

瓦礫の下になっているシャクナギを見つけ、シャクナゲは直ぐに駆け寄り、瓦礫をどかしてシャクナギを助け出した。

「じい様、これは一体…」
「ちょっとばかし、しくじっただけだ」
「だけど!」
「シャクナゲ」
「!?」

シャクナギはシャクナゲの手を力強く握った。

「シャクナゲ、ワシはそんなに長くはない。孫娘にはせめて、メスとして幸せに生きて欲しいと願った。だが、やはりモンハナ族の運命か、戦う一族は戦いから逃れる事はできない。シャクナゲよ、今日からお前が長として、戦士として一族を導きモンハナ族を……」
「じい様!じい様!そんな!じい様!」

 シャクナゲの腕の中で、シャクナギは息を引き取った。

「あ、あ…ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

シャクナゲは悲しみと怒りから、拳に力を込めてその場にあった瓦礫を拳で吹飛ばした。
幼がらも、シャクナゲの拳は凄まじく近くの山を破壊する程だ。
それもそうだ、シャクナゲにとってシャクナギは唯一の家族だった。
家族を失う悲しみを再びシャクナゲは味わい、そしてシャクナギの意志を受け継ぎ、女長として一族を導き、己の拳一筋を鍛え上げ、そして今シャクナゲが戦士として一族の誇りを掛けて、闘技場に立ち闘うことになった