朝食を美味しく食べ終え、修行の準備をし再び修行場に来た。

「そーいや、昨日なんで修行場に来たの?修行してないのに」
「それは、お前が初めて魔力を使うからだ。俺達は小さい頃から、教わりながら遊び感覚で魔力と触れ合い身体に慣れていく…だけど、魔力すら持たなかった者が急に魔力を持ち使うと、魔力をコントロール出来ずに暴走し住処を破壊しかねないからな」
「なるほど…」
「まぁ、今日から1ヶ月の間は魔力をコントロールする修行をしよう」

俺は2つの水晶を取り出し、1つの水晶をアオに渡した。

「重っ!?これは?水晶?てか、よく片手で持てるな」
「俺は鍛えてるからな……まあ、今からやるのは俺達が小さい頃にやる基礎中の基礎だ、この水晶は普通に触れば割れることがない水晶だが、こうやって…ムラもない魔力を注ぎ込めば」

俺は水晶にムラもなく均一に魔力を注ぎ込んだ。
すると…。

パリィン!

水晶は割れ、水晶の形を型どった魔力が現れた。

「すごぉ…」
「ちなみに、魔力が不安定なら水晶は割れない…ほらやってみろ」
「う、うん」

アオは水晶に魔力を注ぎ込んだ。
アオの魔力は青く輝き美しいが、どこかしら不安定だ。
その為、水晶はピクリとも反応はしない。

「ぬぐぐぐぅ…あーだめだ!」
「……まぁ、最初のうちはそうだろうな」
「私にできるかな……不安になってきた」
「大丈夫だ、お前ならできる。ちなみに俺はそいつを割るのに3ヶ月かかった」
「えっ!?セラが3ヶ月かかったら…私は」
「そんなに不安になるな…俺は元々は魔力が他の奴と比べたら、無いに等しかった」
「え…」
「師匠の下で修行を積んで魔力も人並みになって、更に1人で修行積んで今に至る…お前の場合は元から魔力が人並み以上にある。コントロールさえ出来たら1ヶ月も経たんうちに水晶を割ることが出来る」
「……」

アオは手元の水晶を見つめた。

「私はセラとは違うけど、魔力が無かったセラも出来た事だ…私も私なりにやってみる!」
「……そうか、じゃ俺はちょっとアトランティスの方に行ってくる」
「え?」
「ポセイドン様に呼ばれたからな…直ぐに戻る。安心しろ、この修行場は俺が護りの結界魔法を張ってるから、外から変な奴は入ってこないし、なんかあれば結界が反応して俺に知らせるようにしてる」
「そうなんだ…気をつけてなー」

俺はアオを1人残した。