その流れも分かる程、わらわと京は長い付き合いなのじゃが。未だかつて、わらわは京の妖怪姿を見た事がない。
京は、わらわにもその姿を見せたくないと隠れ場所を言わないのだ。教えろと言っても、ひょいと上手いこと躱される。
だからこちらも反骨精神で、京を探し回る事にしているのだ。
隠れ鬼と一緒で、わらわが鬼で京が隠れる。子供の遊びの様だが、わらわとしては遊びではなく真剣で本気の勝負なのじゃ。
だが、京は子供遊び感覚なのだろう。わらわが探していると気がつくと、楽しそうに隠れ鬼に興じるのじゃ。そして嫌みたらしく、翌日「昨日は惜しいところでしたね、危うく今回は見つけられそうでしたよ」と、わざわざ傷口に塩を塗り込んでくるのだから。
因みに言うが、武田軍にいた時も同じだ。場所が違っても、この美張城の中でも隠れに徹する京を見つけた事は、口惜しい事にない。
じゃから、今回こそは見つけてやろうと思うのじゃ。
よし、手始めに探す場所は・・。総介と相部屋の側仕えの部屋から行こうかの。
わらわは二人の部屋に移動し、ガラッと襖を開ける。
明かりも付いていない、真っ暗な部屋。整頓されている部屋をぐるっと見渡すが、京の姿はない。まあ、ここに隠れる訳がないか。一番分かりやすいいからのぅ。念の為に、箪笥や押し入れを覗いてみるが。
おらぬ、か。まぁそうであろう、そうであろう。この程度で見つかっても、見つけられぬこの月日が馬鹿らしいからの。
次じゃ!
わらわは、一人がらんと寂しげな城内を歩き回る。
料理場、家臣達の部屋、茶室、客間。まさかと思うが、女房達の部屋。外に回って、厩舎、洗濯場、庭・・・・。
おらぬ、おらぬ。どこにもおらぬ。
やはり今回も上手いこと雲隠れしよるわ。どこにいるのじゃ、全く。京が行きそうな場所は探し回っているはずだが。と言うか、城のほぼ全ての部屋を網羅したと言っても過言ではないぞ。それだと言うのに、どこにもおらぬとはどういう事であろうか。
妖術で姿を消している様にも思うが。以前「そんな姑息な手は取りませんよ。そんな事をしたら、姫が本当に見つけられないじゃないですかぁ」と小馬鹿にされたから、そうではないのであろう。
宴会をしている一室と、父上と母上とわらわの部屋を除けば、城の中は全て回ったのだが。
京は、わらわにもその姿を見せたくないと隠れ場所を言わないのだ。教えろと言っても、ひょいと上手いこと躱される。
だからこちらも反骨精神で、京を探し回る事にしているのだ。
隠れ鬼と一緒で、わらわが鬼で京が隠れる。子供の遊びの様だが、わらわとしては遊びではなく真剣で本気の勝負なのじゃ。
だが、京は子供遊び感覚なのだろう。わらわが探していると気がつくと、楽しそうに隠れ鬼に興じるのじゃ。そして嫌みたらしく、翌日「昨日は惜しいところでしたね、危うく今回は見つけられそうでしたよ」と、わざわざ傷口に塩を塗り込んでくるのだから。
因みに言うが、武田軍にいた時も同じだ。場所が違っても、この美張城の中でも隠れに徹する京を見つけた事は、口惜しい事にない。
じゃから、今回こそは見つけてやろうと思うのじゃ。
よし、手始めに探す場所は・・。総介と相部屋の側仕えの部屋から行こうかの。
わらわは二人の部屋に移動し、ガラッと襖を開ける。
明かりも付いていない、真っ暗な部屋。整頓されている部屋をぐるっと見渡すが、京の姿はない。まあ、ここに隠れる訳がないか。一番分かりやすいいからのぅ。念の為に、箪笥や押し入れを覗いてみるが。
おらぬ、か。まぁそうであろう、そうであろう。この程度で見つかっても、見つけられぬこの月日が馬鹿らしいからの。
次じゃ!
わらわは、一人がらんと寂しげな城内を歩き回る。
料理場、家臣達の部屋、茶室、客間。まさかと思うが、女房達の部屋。外に回って、厩舎、洗濯場、庭・・・・。
おらぬ、おらぬ。どこにもおらぬ。
やはり今回も上手いこと雲隠れしよるわ。どこにいるのじゃ、全く。京が行きそうな場所は探し回っているはずだが。と言うか、城のほぼ全ての部屋を網羅したと言っても過言ではないぞ。それだと言うのに、どこにもおらぬとはどういう事であろうか。
妖術で姿を消している様にも思うが。以前「そんな姑息な手は取りませんよ。そんな事をしたら、姫が本当に見つけられないじゃないですかぁ」と小馬鹿にされたから、そうではないのであろう。
宴会をしている一室と、父上と母上とわらわの部屋を除けば、城の中は全て回ったのだが。