そうだ、皆、よくやってくれている。この人数で、よくここまで持った。だからこそ、もう仕舞いにした方が良いのだろう。織田に刃が届かないのは口惜しいが。
これ以上は、もう・・・。
わらわは緋天を握り直し、皆の顔を見つめながらゆっくりと告げた。
「皆、聞け。最期の命を下す」
ハッと皆の顔が強張り、息をのむ音がした。
「頼宣、信好、勝為(かつなり)、光久(みつひさ)、雪丸(ゆきまる)、道照(みちてる)、久澄(ひさずみ)、惟幾(これちか)、智家(ともいえ)、義充(よしみつ)、佐助。そして総介。
ここにはおらぬが、外でまだ戦ってくれている京もじゃが」
しっかりと顔を見ながら、一人一人の名を呼んでいく。
「皆、父上の代からよう仕えてくれたの。主等のおかげで、美張は強くあれた。此度の戦も、主等が強いおかげで、ここまで持ちこたえられたのだ。
主等がわらわの元にいてくれて、まことに良かった。父上が死に、至らぬ当主であったであろうが、文句の一つもなく付いてきてくれたの。
言葉では感謝し尽くせぬ。主等はわらわの誇りじゃ、宝じゃ。そして大切な家族じゃ」
ニコッと微笑むと、皆の顔が悲しみで歪み、ぶわっと滝の様な涙を流し始めた。ドサドサッと床に膝をつき、姫様とむせび泣きながら何度も呼ぶ。虚しい怒りや悔しさ、そしてあまりにも辛すぎる悲しみが部屋いっぱいに溢れた。
「家族をこんな風に追い詰めてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいじゃ。わらわが不甲斐ないせいで、主等をこんな目に遭わせた。父上達の事も、此度の戦も。わらわの一つ一つの判断が、間違っていたせいじゃ。不甲斐ない主でまことにすまなかった」
悲しみで嘆いている家族達に謝罪の言葉を述べると、家族達の声は更に大きくなり「そんな事ありませぬ」「そんな事を仰らないで下さい」と涙ながらに訴えてくる。
なんとまぁ、最期の最期まで優しい家族達じゃわ。わらわは、この世で一番の幸せ者だのぅ。
むせび泣く彼らを前に柔らかな微笑みが、どうしても零れてしまう。
「主等はわらわの誇りじゃ、主等と共に生きられた事を嬉しく思うぞ。これで今生では最期の別れとなるが、悲しむ事はない。往々にして、人の死とはあるものじゃからな。
皆、来世で会おう。わらわは必ず主等を見つけてみせる。しばしの別れじゃ」
これ以上は、もう・・・。
わらわは緋天を握り直し、皆の顔を見つめながらゆっくりと告げた。
「皆、聞け。最期の命を下す」
ハッと皆の顔が強張り、息をのむ音がした。
「頼宣、信好、勝為(かつなり)、光久(みつひさ)、雪丸(ゆきまる)、道照(みちてる)、久澄(ひさずみ)、惟幾(これちか)、智家(ともいえ)、義充(よしみつ)、佐助。そして総介。
ここにはおらぬが、外でまだ戦ってくれている京もじゃが」
しっかりと顔を見ながら、一人一人の名を呼んでいく。
「皆、父上の代からよう仕えてくれたの。主等のおかげで、美張は強くあれた。此度の戦も、主等が強いおかげで、ここまで持ちこたえられたのだ。
主等がわらわの元にいてくれて、まことに良かった。父上が死に、至らぬ当主であったであろうが、文句の一つもなく付いてきてくれたの。
言葉では感謝し尽くせぬ。主等はわらわの誇りじゃ、宝じゃ。そして大切な家族じゃ」
ニコッと微笑むと、皆の顔が悲しみで歪み、ぶわっと滝の様な涙を流し始めた。ドサドサッと床に膝をつき、姫様とむせび泣きながら何度も呼ぶ。虚しい怒りや悔しさ、そしてあまりにも辛すぎる悲しみが部屋いっぱいに溢れた。
「家族をこんな風に追い詰めてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいじゃ。わらわが不甲斐ないせいで、主等をこんな目に遭わせた。父上達の事も、此度の戦も。わらわの一つ一つの判断が、間違っていたせいじゃ。不甲斐ない主でまことにすまなかった」
悲しみで嘆いている家族達に謝罪の言葉を述べると、家族達の声は更に大きくなり「そんな事ありませぬ」「そんな事を仰らないで下さい」と涙ながらに訴えてくる。
なんとまぁ、最期の最期まで優しい家族達じゃわ。わらわは、この世で一番の幸せ者だのぅ。
むせび泣く彼らを前に柔らかな微笑みが、どうしても零れてしまう。
「主等はわらわの誇りじゃ、主等と共に生きられた事を嬉しく思うぞ。これで今生では最期の別れとなるが、悲しむ事はない。往々にして、人の死とはあるものじゃからな。
皆、来世で会おう。わらわは必ず主等を見つけてみせる。しばしの別れじゃ」



